現金を盗んだ後に殺害でも強盗殺人にならない?

殺人事件

現金を盗んだ後に殺害でも強盗殺人にならない?

強盗殺人(強盗致死)ではなく傷害致死罪が適用

2022年1月21日(金)

東京・池袋でパパ活の事件が起きました。

罪が重いであろう強盗殺人事件ではないかと

一瞬、誰もが勘違いしかねない池袋パパ活による傷害致死事件になります。

事件については

男と共謀してパパ活をしていた女性(26歳)

83歳の男性から現金を盗んだ後にカッターナイフで、胸や太ももを刺して殺害しています。

男性がシャワーを浴びている隙に財布から現金を盗んだ行為がバレた事から口論に発展後、殺害して血だらけになった男性は椅子にもたれかかった状態で、遺体として見つかります。

死因は、右太ももの動脈を切られた出血性ショック。

その後、26歳の女性は逮捕され「懲役6年」の判決となりました。

検察の求刑は9年で、弁護側は4年相当。

女性は軽度の知的障害(障害手帳持ち)+ADHD(注意欠如・多動症)がある人物として、裁判では知的障害の刑事責任能力について、争われる事はありませんでした。

刑事責任能力があった事に争いはなく、精神鑑定の医師より「犯行に直接的な影響があったとは言えない」「障がいにより危険なことを軽はずみに行う傾向が強かった」となっています。

殺害の凶器はカッターナイフという点からも

突発性で計画性がないために殺意は認められず

強盗殺人(強盗致死)ではなく”傷害致死罪”が適用されました。

正確には最初から殺意があった「強盗殺人罪」ではなく、殺意がないけれども結果的に人を死なせてしまった「強盗致傷罪」の方になりますが、本事件では傷害致死罪が適用となりました。

女性は殺害後、公衆電話から匿名で110番通報して現場から逃走しています。

一応は、男性を助けようと思って呼んでいたようです。

この時、池袋駅で共謀していた男二人らと合流して「おじさんを刺した」と伝えて一緒に逃走。

新宿・歌舞伎町に向かったが、再び事件現場に戻って規制線の外から捜査の様子を見守りつつ、何事もなかったかのようにカラオケ ネットカフェで一晩過ごした後にJR 西八王子駅の改札で、警察に逮捕されています。

結果的に防犯カメラの追跡でスピード解決に至りました。

犯人は一度、事件現場に戻る傾向にあるとは、まさにこのような事を言うのかもしれません(この時に、まだ生きているかどうか気になったのかもしれません)

今回の事件では、お金を奪って人を殺しても「懲役6年」といったあまりにも軽すぎる判決と

なぜか”ノルマだけは頑張れよ(毎月最低2万円)”と指示をしていた

2人の男(指示役)は犯人隠避容疑で逮捕されましたが、「不起訴処分」となっています。

2人の指示役 = 事件7か月前に女(当時24歳)がネットゲームで知り合って貢いでいた交際相手の男(当時29歳)と弟(当時25歳)。

男らは出会い系サイト(マッチングアプリ)で売春客探し~トラブル時の対応をして売春に加担。時にはお腹を殴ったり、蹴ったり、髪を引っ張ったりの暴力を振るって次第に女を支配していく。

暴力が原因で、女性は警察に2回保護され交際相手と離れて暮らす事もありましたが、「客の金を返さないと警察に届けるぞ!」と脅されて事件3週間前に再び東京に戻る。

女性は広島から上京してきてネットカフェで寝泊まりしながら、ほぼ毎日売春を繰り返して男に貢いでいた。売春行為だけではなく、現金だけを盗む手口も頻繁に行って今回の結末を迎えてしまった。

逮捕後、女性は「トラブルになり、かっとなって刺した。普段から(防衛のために)カッターナイフは持ち歩いている」と供述しています。

今回の事件内容について

ネット & SNS上の世間の声として

まともに裁判が機能していないのではないか?と話題になっておりました。

恐らくなのですが、凶器はカッターナイフ + 知的障害以外にも指示役の交際相手からDV等で支配されていた内容と被害男性が82歳と高齢で、現場から逃亡したとはいえ、事件後に110番通報している事も減刑に考慮されているのかもしれません。

それでも指示役の交際相手の男が罰せられないのは、おかしな話ではあります。

実行役だけが損をしてしまう事件になりますが、お金を奪って人を殺す「強盗殺人事件」は罪が重いです(詐欺行為 & 放火殺人も同等並みに罪が重くなります)

過去に酷似(類似)した事件として

2010年9月に池袋出会いカフェ女子大生殺人事件では殺人と窃盗容疑で「懲役14年」の判決。

女子大生(当時22歳)が池袋の出会いカフェで知り合った男(当時29歳)にラブホテルで、クビを絞められて殺害された事件となります。

殺害動機は、男がシャワーを浴びている間に財布の中にあった1万円がなくなった事に気づいて口論に発展後、A子さんから「レイプされたと警察に言う」と脅された事に腹を立てて殺害しています。

その他にも

2015年8月に三重県鈴鹿市内のホテルで起きた

中国人女性強盗殺事件では強盗殺人罪で「無期懲役刑」となっています。

こちらは元々が強盗目的で、男が旅館で約11万6,000円が入ったショルダーバッグを盗もうとして、気づかれた後にパイプ椅子で女性の頭部を複数回殴りつけて殺害しています。

いつもながらでありますが、

もはや日本は法治国家ならぬ

放置国家になりつつあります。

と思っていたのですが…?

よく調べてみますと

刑法 第240条より

強盗が、人を負傷させたときは

無期又は”6年以上の懲役”に処し、

死亡させたときは「死刑」又は「無期懲役」に処する。

一応は、強盗殺人・強盗致死罪になっていたとしても

「最低6年以上の懲役」と日本の法律で定められています。

勝手なイメージではないですが、過去の判例を見ている限りでは

強盗+殺人等のコンボ殺人だと一気に罪が重くなり、最低でも懲役15年~30年以上は当たり前で、ほとんどが無期懲役 or 死刑判決が当たり前だと思いがちだったのですが…?

刑法に書かれていた内容は意外にも罪は軽く「最低6年」という内容となっています。

ちなみに普通の殺人罪でも

同様な事が申し上げられまして

刑法 第199条より

人を殺した者は、

死刑又は「無期」もしくは ”5年以上の懲役”に処する。

こちらも「最低5年以上」となっているようでした。

刑法に書かれている内容については

死刑執行(死刑制度)と同じになりまして

必ずしも刑法通りにならないのが現実でありました。

死刑執行に関する法律についても

刑事訴訟法 第475条より

死刑囚は裁判で死刑確定後、

”6ヶ月以内”に死刑執行をしなければいけない

と法律で決まっております。

死刑執行は、死刑判決を受けてから6ヶ月以内に執行されなければいけないと定められていますが、現実は、その通りになっていないですね。

それでも1つだけ覚えておきたい内容として

今回の事件でも申し上げられる事ではありますが

指示役の罪は軽くなりまして
”実行役の罪は重くなってしまう”

というカラクリであります。

まさに覚せい剤の運び屋みたいなもんであります。

一昔前にあった振り込め詐欺の出し子(ATMからお金を下ろす役目)とも言えます。

バレなければ上のお偉いさんこと指示役だけが非常においしい思いが出来るといった

何とも巧妙かつサイコパス的な事件となります。

 サイコパス = 悪い事をしても心が傷まず、何とも思わずに何食わぬ顔をして平然と日常生活を送っている反社会性の偏った考えを持った人の事をいいます(他人への感情&愛情の思いやりがない人)

今後、このような事件が増えてきそうです。

そのため、いっときの遊ぶお金欲しさに

これから闇バイトへ安易に手を出そうとしている方は要注意であります。

捕まった日には何十年と別荘の刑務所行きになってしまい

無駄な時間を過ごす事になり、全てが台無しになります。

一度、刑務所へ行ったら悪い人とのネットワークが広がりまして、再犯率もアップしてしまいます。

元受刑者による再犯率は49.1%と、2人に1人が再犯者になっています(法務省発表の犯罪白書2021年度より)

一時期話題になったフィリピン強盗団の指示役による麦飯のルフィーの指示役は「死刑」or「無期懲役」による重い罪が待ち受けています。

小間使された強盗の実行役でも2人に対して

懲役14年の判決が出ております(検察の求刑16年)

その他にも懲役10年&12年の判決も出ておりまして、最も軽い罪でも実刑2年で執行猶予もつかずに実刑判決となっております。

一般的に懲役3年までが刑務所行きの実刑 or 執行猶予がつくかどうかの分かれ道になっています。