SNK倒産事件(CAPCOMに買収されかけていた)

SNK倒産事件(CAPCOMに買収されかけていた)
CAPCOM VS SNKが実現していなかった!?
元カプコン専務の岡本吉起さんの【格ゲー裏話】SNKが倒産し、競売に掛けられていた時のお話より
1990年代にはゲームセンターにて2D対戦格闘ゲームが流行っていました。
格闘ゲームは大阪にある二大メーカーCAPCOM(カプコン)とSNK(エスエヌケイ)が大人気で地上波でテレビCMをバンバンやるくらいまでの盛り上がりでした。
そんなCAPCOMとSNKは大阪にある会社なのですが、距離にして10kmしか離れていなかったのです。
最初は良きライバル関係であったようなのですが、後に「CAPCOM VS SNK」「SNK VS CAPCOM」による夢の共演として、両社からお互いにゲームソフトを発売するくらいまでに仲直りをしています。
元々の経緯として1990年代初頭にCAPCOMに在籍していた開発スタッフが一斉に辞めてSNKに入った経緯があります。そこで出来上がったのが「餓狼伝説」になります。
CAPCOMがストIIことストリートファイターIIならSNKは餓狼伝説・龍虎の拳・後にチームバトル戦となるザ・キング・オブ・ファイターズシリーズことKOFが発売されます。
そんなSNKは順風満々とは言わず90年代後半にかけて経営の危機に立たされて2001年に倒産してしまったのです。
1978年に川崎英吉さんが創業したゲーム機&ゲームソフトの企画・開発・販売を手掛ける日本のゲームメーカーSNKは、2001年10月30日に大阪地裁から破産宣告を受け倒産してしまいました。
当時SNKが所有していたゲーム版権(ゲームタイトル)全てが競売にかけられる事になりました。
競売は誰もが入札できる条件ではなかったようです。
3社のみに限られた競売となっています。
その1社にCAPCOM(カプコン)の名がありました。
カプコンの辻元社長より
岡本さんの所に話がおりてきて
辻本社長「お前、どない思う?」
と聞かれた際に
岡本吉起さんより
色々な意味はありますが… その版権が欲しくないとか価値がないとか思った事は一度もないです。
自分の部下にも相談をしつつ入札をするかどうかと入札金額について
全ては岡本さんの判断に委(ゆだ)ねられました。
その時、「誰にその版権にいくのが良いのか?」
という事を考えていたようです。
・カプコンが持つべきなのか? ・別の会社が持つべきなのか? ・再び良きライバルとして戦いが出来るのが望ましいのか?
という事を色々と考えていたようです。
競売入札に参加した3社について
カプコンの他に残りの2社として
・パチンコ&パチスロ系の会社 ・聞いたことがない韓国系の会社
この2社に落札されるくらいだったら…?
カプコンが落札した方が良いと岡本さんは思っていたようです。
岡本さんの尊敬する先輩の西山隆志さん(ストIを開発した方で、ストII発売前にSNKへ移籍して餓狼伝説を作った方)から連絡がきていて事情を説明されたようです。
さらに驚いた事に
実は3社目の聞いたことがない「韓国系の会社」は
SNKの川崎社長がもう一回、SNKを復活させるために「借金をして競売に参加した会社だった」
というのです。
西山さんからお願いする形で岡本さんの所へ話がきています。
この話を西山さんから聞いた岡本さんより
それやったら、(SNK創業者)川崎社長に譲ろうと思っていたようです。 そこを競って、SNKのゲーム版権を競売で安くなっているからといってカプコンが全部抑えて再復活するべく芽を潰してしまうというのはCAPCOMがすべきではないなと思ったんです。 ゲーム業界は持ちつ持たれつで、繁栄させていくべきものだと僕らと部下も思っていた。
欲しくないとは誰も言ってない。 かなり安く買える中で、ぐっと気持ちを抑えて西山さんは僕にお願いする形で話をしてくれたんですが、僕らはお願いっていうよりは西山さんの気持ちを聞きたかった。
岡本さんは、その場で西山さんに対して即答はしなかったようですが、この段階で自分の中では「100%入札しない」と決めていたようです。
その後、川崎社長とも直接、お会いして話されていたようでして
さすがに元気はなかった様子だったのですが、SNKの川崎社長より
「入札しないでもらいたい的な事をボワ~っと寂しそうに言われた」
この時も「分かるなぁ…と思っていました」が、即答はしていないようです。
SNK倒産の裏では被害に遭われた債権者がいるので、出来るだけ高い金額で落札した方が債権者のためになるのですが…
もう1回、川崎社長にチャンスを与えた方が世の中の人のためになるのか?という葛藤があったようです。
最終的に岡本さんが川崎社長にチャンスがあった方が「きっと良いことが起きる!」という風に考えて最終的にカプコンの社長である辻元さんの所へ気持ちを伝えにいきました。
当時CAPCOMの辻元社長はSNKの川崎社長とは非常に仲が悪かったようなのですが…?
辻元社長は、弱っている人を殴ったり蹴ったりする人ではなく
岡本さんの今の気持ちを伝えた時に
即答で
辻元社長: 「そんで、ええぞ」
と言ってくれたようです。
これにより岡本さんの考えが固まり
じゃあ、今回は「SNKの競売には落札しない方向」で、いかせていただきます。
となりました。
その後、正確な金額は定かではないのですが、
7億円~8億円に近い金額
にて再び自分の
SNKという会社のゲーム版権を川崎英吉社長が落札しました。
その会社は後に知る事になる
プレイモアという会社が立ち上がり
「SNKプレイモア」という流れになりました。
もう1つのパチスロ系の会社は、かなり安い金額で入札をしていたようです。
でも、競売の金額は非公開で「1円でも金額が低ければ負け」となります。
つまり、落札する事が出来なくなります。
それを恐れた川崎社長は倒産した直後にも関わらず、
他の方からお金を借りたりして「7億円~8億円の相当の無理をした入札だった」という事が言われています。
かなりの借金をしてでも自分の会社を再び手に入れたかったというお話でありました。
岡本さんは債権者の事も考えてカプコンも入札という形で、債権者にお金を戻すみたいな事をビビらせて「1円で入札」をしていたようです。
そんなCAPCOMではあったのですが、SNKの倒産は他人事ではなかったようです。
カプコンも2D対戦格闘ゲームから3Dの移行が遅れたりヒット作に恵まれずに、いつ潰れてもおかしくない状況で、当時としては、かなり相当苦戦していたようでありました。
もしもSNKと立場が逆だった場合、
カプコンの辻元さんが誰かからお金を借りてきてっていう時に SNKの川崎社長も高い金額を入札してこなく 意地悪してやるっていう人柄ではないらしいです。
その当時は「債権者の皆さんには申し訳ないな」という気持ちを語っておられました。
その後、SNKはEGDC = サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子の人材育成を目的とした「ミスク財団」の傘下のゲーム企業であるEGDCが2020年11月にSNKの筆頭株主になっています。
※ EGDC = Electronic Gaming Development Company
これが驚いた事にSNKの株式を96.18%も保有しています(2022年2月15日付)
結果的にSNKと川崎社長も含めて、みんながハッピーになりました。

