ダイナS 点火時期の調整方法
目次
- 1 ● ダイナS 点火時期の調整方法
- 1.1 点火調整するための覗き穴(タイミングホール)
- 1.2 どこで点火時期を合わせるのが良いの?
- 1.3 点火マークの仕組み
- 1.4 エンジンがかかる仕組み(ガバナーについて)
- 1.5 点火時期マーク & 圧縮上死点の確認方法(分かりやすい方法です)
- 1.6 重要
- 1.7 点火時期マークは、どの位置で合わせるのが良いの?
- 1.8 ダイナSの回転プレート位置について
- 1.9 タイミングマークの位置
- 1.10 点火時期による症状(~すぎると以下の症状になります)
- 1.11 点火時期を”5度遅らせる方法”とは?
- 1.12 ダイナSの見方 & 簡単解説
- 1.13 ダイナSの微調整方法
- 1.14 配線図
- 1.15 プラグの焼け具合で点火時期が早いか?遅いか?をプラグで見分ける事が出来ます
- 1.16 ダイナSの基礎用語
- 1.17 ダイナSの仕組み
- 1.18 点火の仕組み
- 1.19 4サイクルの仕組み
- 1.20 ダイナSの点火調整方法(点火時期マーク編)
- 1.21 ダイナSの点火調整方法(圧縮上死点マーク編)
- 1.22 イグニッションコイルの正常値
● ダイナS 点火時期の調整方法
点火調整するための覗き穴(タイミングホール)
1.まず運転席から車体左側のプラグがある位置を見ます。 2.フロントエンジンとリアエンジンの中央下 = オルタネーターの真上(ベルト先端の真上)の▲頂点にボルトがあります。 3.そのボルトが点火を調整するために必要なタイミングホールの「覗き穴」になります。 4.キックをして重くなった所で、ほんの少しずつキックしていくと「点火時期マーク」が現れます。 5.「点火時期マーク(進角マーク)」→ 「圧縮上死点マーク」といった順番に表示されていきます。
どこで点火時期を合わせるのが良いの?
・「点火時期マーク(進角マーク)」で調整する方法が一番分かりやすくて大変おすすめでございます。 ・点火時期マークを表示させたままガバナーが全開に開いている"最大のフル進角”状態にして調整する方法になります。 ・点火調整と言いますのは「永遠にアイドリング状態」ではなく「走行している状態が最大の目的であり重要になります」ので「点火時期マーク(フル進角状態)= 走行状態を意識した所」で調整するのが正しい方法になります。 ・ガバナーが全開に開いた状態とは? ポイントカバー内の中央にある六角ボルトで留めてある●(ポイントの場合は「カム」or ダイナSの場合は「マグネットローター」を左一杯に回した状態 = ガバナーが全開に開いた最大進角(点火を早めた状態)=走行している状態になります。 ・最初の段階で三拍子を重視される場合、...etc
点火マークの仕組み
ショベル前期(~78年以前)
・点火時期マーク「|」→ 圧縮上死点マーク「・」の順番で表示されます(マークは反時計回りに動いています) ・ダイナSで点火調整する際には点火時期タイミング = 圧縮上死点前の「点火時期マーク (|)」に合わせます。
ショベル後期(79年以降~)
・点火時期マーク「・」→ 圧縮上死点マーク「|」の順番で表示されます(マークは反時計回りに動いています) ・ダイナSで点火調整する際には点火時期タイミング = 圧縮上死点前の「点火時期マーク (・)」に合わせます。
エンジンがかかる仕組み(ガバナーについて)
・エンジンは「点火時期マーク(BTDC35°)」~「圧縮上死点(5°)」の間で火が飛べば掛かる仕組みになっています。 ・ガバナーが何もしていない=閉じている状態(アイドリング状態)で「圧縮上死点(5°)」になります。 ・ガバナーが全開に開いているフル進角状態(走行状態)で「点火時期マーク(35°)」になります。
点火時期マーク & 圧縮上死点の確認方法(分かりやすい方法です)
前後のプラグを取り外して手袋をした上でプラグホールに指を入れて確認する方法が一番分かりやすいと思います。
指を入れた状態のままキックしていくと空気が吸われる所 = 圧力が掛かる所が、よく分かります。
空気の圧力が感じた所から、ほんの少しずつチョチョンとキックしていきますとタイミングホールから点火時期マークが一番最初に表示されますので、とても分かりやすいと思います。
...etc
重要
・タイミングホール(点火時期を調整する所)のマークが表示される穴はクランクが右から左に動いています(反時計回りになります) ・右端のマークが出始めの所が点火時期が早い位置で左端の位置が遅い位置と覚えておけば分かりやすいと思います。 ・点火時期が早い = 右端にマークが表示された状態 = 点火時期マークに近ければ近いほど「ケッチンがきやすく」なります。 ・点火時期が遅い = 左端にマークが表示された状態 = 圧縮上死点に近ければ近いほど「ケッチンはきづらく」なります。 ・キック始動の場合、点火時期は少しだけ遅らせた方がケッチンがきづらくエンジンの掛かりは良くなる傾向にあります。 ・手動進角と言われる左グリップで調整できる車両は始動性を高めるためにあえて点火を遅らせて始動させているくらいになります(点火を遅らせる事でケッチン対策にもなります) ...etc
点火時期マークは、どの位置で合わせるのが良いの?
79年以降の調整位置
・タイミングホールを正面から見て...etc
78年以前の調整位置
・タイミングホールを正面から見て「|」が...etc
ダイナSの回転プレート位置について
・タイミングホールに表示される点火時期マーク(進角マーク)の表示位置によってダイナS側の回転プレートの固定位置(火花が出る位置)が変わります。 ・ダイナSは製品の個体差によって...etc
タイミングマークの位置
・マークが...etc
点火時期による症状(~すぎると以下の症状になります)
・点火時期が早すぎる場合:ケッチンの連発 & 急加速時にキリキリとノッキング(燃費は良くなります)【薄い症状に似ています】 ・点火時期が遅すぎる場合:キャブの吹き返し(くしゃみ)が多く・熱を持つのでオーバーヒートがしやすく・極端に遅すぎると始動性が悪く・エンジンがストールします(燃費も悪くなります)【濃い症状に似ています】
点火時期を”5度遅らせる方法”とは?
・5度遅らせた位置では「始動性が良くなり」「ケッチンなし」「キャブの吹き返し(くしゃみ)は一切なし」「走行フィーリングも良く(許容範囲)」「発熱も少なく油温も安定」するのでバッチリだと思っています。 ・5度遅らせる調整方法 = タイミング...etc
ダイナSの見方 & 簡単解説
・運転席に向かって車体を右から見てエンジン真下にある○のカバーを「タイマーカバー(ポイントカバー)」と言います(2つのネジで止められています) ・アーリーショベルの場合、一番前にあるプッシュロッドカバーの右横にある○ケースになります。 ・時計回り(右に回す)= 点火時期を早くする事ができます = 進角と言います。 ・反時計回り(左に回す)= 点火時期を遅くする事ができます = 遅角と言います。 ・ダイナSの配線は2本「白線(+)」「青線(-)」でイグニッションコイルの上下(一次側)に繋がっています。
ダイナSの微調整方法
#. ショベルには分かりやすい目印としてプレートの左下には▽の切り欠き(時計で言う19時~20時近辺)がございます。 この...etc
配線図
・ダイナSの白線(+)と車体側の(+)の2本を一緒に繋ぎます。その他にダイナSの青線(-)は1本になります【合計3本】 ・イグニッションコイル下側 = 白コード1本&車体側からの(+)配線1本【合計2本】 ・イグニッションコイル上側 = 青いコード1本【合計1本】 ・主流のイグニッションコイル(同爆)には...etc
プラグの焼け具合で点火時期が早いか?遅いか?をプラグで見分ける事が出来ます
・点火時期が早すぎる場合:F(フロント)真っ白/R(リア)真っ黒になります。 ・点火時期が遅すぎる場合:F(フロント)真っ黒/R(リア)真っ白になります。
→ 上記の通りプラグの片方だけ真っ白 or 真っ黒になる症状は...etc
ダイナSの基礎用語
・ダイナS内の中央にある黒●の事を「マグネットセンサーローター」と呼びます(点火マークで調整する際の点火調整に必須:左に回す事が出来ます) ・ダイナS内の...etc
ダイナSの仕組み
1.キーをONにして「イグニッションコイル(1次側=上下どちらかにある白線の+)」には常に12V以上の電気が流れています。
→ この段階では「2次側=プラグ~プラグコード」には電気が流れていません。
キーをONにする事で...etc
点火の仕組み
構造上「点火時期マーク」から「圧縮上死点まで」の間でプラグに火が飛べばエンジンは始動します。
点火時期マークに近ければ近いほど始動性は良くなりますが、ケッチンがきやすくなります。
4サイクルの仕組み
吸入 → 圧縮 → 爆発 → 排気の1サイクルをピストン2往復=クランク2回転で行います。圧縮行程の上死点前にプラグがスパークします。
吸入(ピストン下がり)→ 圧縮(上がり)→ 燃焼(下がり)→ 排気(上がり)
排気→吸入にかけてバルブが同時に動いている状態をオーバーラップといい吸入作用をより効率化するためのものです。
プラグ穴を指で押さえて塞いでおきクランキングさせ圧縮を感じれば圧縮行程、その先ピストン上がり切りが圧縮上死点です。
4stはクランクが2回転するので進角マーク(一番点火時期が進んだ状態)が2回現れるので排気ではなく圧縮に合わせます。
圧縮時はマフラーを外して確認するとバルブが閉じている = プッシュロッドのINが下がっている = プッシュロッドが手で回る(手で回らないと排気上死点)
~78年式までは「|」が点火時期(進角マーク)/「・」が圧縮上死点で、圧縮を感じたら上死点前の「|(点火時期=進角)」マークに合わせます。
79年式以降~は「・」が点火時期(進角マーク)/「|」が圧縮上死点で、圧縮を感じたら上死点前の「・(点火時期=進角)」マークに合わせます。
当方の車両FLH80(79年式)は「・」が点火時期(進角マークI/「|」が圧縮上死点になっております。
点火タイミング・・・遅角:圧縮上死点前5度 /進角:圧縮上死点前35度 = 点火(進角)マーク
ガバナー全開=最大進角(35度)=タイミングマーク
ダイナSの点火調整方法(点火時期マーク編)
#▼プレートは左に回すと「点火時期を遅くします」
右に回すと「点火時期を早くします」
# 中央のボルトを締める際は強く締めすぎると簡単に折れるので注意です(優しく締めて隙間があるくらいで良いです)
1.エンジン左側にあるタイミングマークのボルトを外します。 2. Fプラグを外してコードをプラグに取付けた状態でエンジン上部のフィンに置きます。 この時にRプラグを外しておきます。R側はコードは付けないでOKです(F=フロント・R=リア) 3.キック...etc
・【重要】点火時期マークで調整する際の重要ポイント: ・真ん中の●ローターを反時計回りに回しきった状態にしたまま(ガバナを全開状態にしたまま)パチッとプラグから火が飛ぶのが正解です。 ・回してパチッ・回してパチッ・回してパチッ。これによりスタチック(静的)=フル進角(走行状態)で33度~35度の点火タイミングが取れている事が分かります。
ダイナSの点火調整方法(圧縮上死点マーク編)
#▼プレートは左に回すと「点火時期を遅くします」/右に回すと「点火時期を早くします」
# 中央のボルトを締める際は強く締めすぎると簡単に折れるので注意です(優しく締めて隙間があるくらいで良いです)
1.エンジン左側にあるタイミングマークのボルトを外します。 2. Fプラグを外してコードをプラグに取付けた状態でエンジン上部のフィンに置きます。
この時にRプラグを外しておきます。R側はコードは付けないでOKです(F=フロント・R=リア)
3.キックします(クランクを動かしてマークを出すために必要になります)
Fプラグの穴に指を入れた状態でキックして圧縮を感じた後に(指で吸い込まれるのが分かります。必ず圧縮上死点に合わせます)
少しずつキックをして出てくるマークが「点火時期」=「|(79年以降~)」「・(~78年以前)」マークになります。
【注意】Fの上死点手前に出てくるタイミングマークは「圧縮上死点」と「排気上死点」があるので要注意です。...etc
ショベルの始動するタイミングは上死点前(BTDC)「5°~35°」になります。
ガバナーが完全に閉じてる状態で5度・ガバナーが完全に開いている状態で35度になります。...etc
イグニッションコイルの正常値
・テスターを「Ω」にして1次側(上下)「4.5~5.3Ω」くらいが正常です【4.4Ω以下と5.7Ω以上は故障】 ・2次側(プラグ側)「16,500~20,000Ω」なら正常です ・ベースプレートのアース側の接点汚れでアースが取れておらず失火する事があります。 ・同爆コイルは「+」「-」の極性は持たないのですがショートする危険性から(+)側をコイルの下側へ装着した方が良いです。
但し、青(-)・白(+)と理解して白線とシート下のバッテリー+配線と繋ぐ。絶対に青(-)とは繋がない【即パンク(故障します)】
→ ダイナコイル新品購入時【5.3Ω/17.39Ω】
...etc
詳しい内容につきましては、ぜひ下記のハーレー内容をまとめたメモ帳をご覧下さいませ。
【ハーレー全般で使える!】ショベルヘッドまとめメモ帳(困った時の故障&トラブルノウハウ集
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