メカニカルトップ/ジョッキートップとは?(ナックルヘッド/パンヘッド)
● メカニカルトップ(ジョッキートップ)とは?
日本ではメカニカルトップと呼ばれています。
アメリカではジョッキートップと呼ばれる事が多いですね。
メカニカルトップ(ジョッキートップ)は、ナックルヘッドからパンヘッドの1936年~1964年までハーレー純正として採用されておりました。
4速ミッションの原型である初期バージョンになります。
進化版のラチェットトップは1952年から少しの改良を加えて誕生しておりますが、メカニカルトップ(ジョッキートップ)も同じく平行して採用され続けておりました。
メカニカルトップ(ジョッキートップ)からラチェットトップの進化の過程では、あまり大きな仕様変更が行われていないのが何よりの証拠ですね。
それだけシンプルな構造だけあって耐久もあり、優秀だったという事が分かります。
全体の見た目はラチェットトップにそっくり(赤い箇所)で、シフターと呼ばれるジョッキーシフト等に繋がる部分だけはロータリートップに似ています(オレンジ箇所)
まさにラチェットトップとロータリートップが融合した見た目になっています。
シンプルな構造で、とても小さくコンパクトな作りになっています。
メカトップとは、いわゆるガソリンタンクの左横にシフトゲート(ギア表記)と共に直付されたシフトになりまして、手でギアチェンジを操作するハンドシフト(タンクサイドシフト/ポリススタイルシフト)設計になっています。
最大の特長は、1速から4速まで自由自在に動く事が出来まして、一瞬で簡単にギアを移動出来てしまう点です。ギアの操作も非常に柔らかいために簡単に動いてしまいます。
通常のギア操作は、1速 → N → 2速 → 3速 → 4速と順番通りに操作していかなければギアを入れられないですね。
1速から4速へ入れるためには、必ず2速、3速を通らなければ入らない仕組みになっています。
このメカトップは、1速から、いきなり4速のトップギアを入れたり、Nから4速へ入れたり、4速から1速やNへ入れられたりします。時代だからだと思うのですが、ぶっ飛んだ、とんでもない仕様になっています。
いわゆるラチェット機構(工具のラチェットレンチのように動作方向を一方に制限する機能)がない「4速ミッションVer」となっています。
ギアが噛んでいても噛んでいなくても自由自在に動かせちゃうんです。
ラチェットトップやロータリートップはギアを入れると元通りの位置へ自動的に戻ってくる仕組みなのですが、このメカニカルトップはギアを入れた位置で固定されてしまうので自動的に戻らないのです。
つまり、しっかりと決まった位置(1速・N・2速・3速・4速)へ入れて固定しなければギアが入らないという事なのです。
操作方法を謝ると、よくありがちなギア抜けといってアクセルを吹かしても回転だけが一方的に上がって前へ進まずにブォ~~ン状態となってしまいます。
ですが、さすがのハーレー社も、そこの所は、きちんと考えています。
純正ではハンドシフト(タンクサイドシフト/ポリスシフト)専用として設計されておりますので、シフトゲートには1速、N、2速、3速、4速と分かりやすく明記されておりまます。
1速ごとにL型のギザギザで固定されて動かないようになっています。
このように純正タイプのタンクサイドシフトのままですとギザギザで固定されて簡単にシフトが入りやすいので、とても操作がしやすいです。
ギアチェンジも柔らかいので、とにかく動きがスムーズで簡単に移動できるのが最大の特長ですね。
ちなみにシフトゲートは初期ナックルヘッドの1946年までは上が1速で下へN(ニュートラル)、2速、3速、4速となっています。
最終ナックルヘッドの1947年からパンヘッドまでは下が1速で、上へN、2速、3速、4速となっています。
しかしながら、ミッションをメカニカルトップ(ジョッキートップ)で、ジョッキーシフトにカスタムした場合、ギアを移動した位置で止まる仕組みになってしまいますので、何速に入れたのか?が非常に分かりづらくなりますので慣れるまで一苦労で、とても乗りづらくなります。
この事から海外ではメカニカルトップ(ジョッキートップ)+ジョッキーシフトの組み合わせを真のジョッキーシフトと呼ばれているようです。
例え意味が間違っていたとしても、人々に共通して理解されて認識(認知)さえされていれば、それが「正解」になるんだと思います。
そもそも人は間違うという事自体は、全然悪い事ではないんです!
日本ではラチェットトップであれ、ロータリトップであれ、手の後ろで操作する事をジョッキーシフトという言い方できてしまっているのでハーレー精神にのっとったやり方ではないですが、
もうここまできたら、”こまぁけぇ~こたぁ~いいんだ的なノリ”で「ジョッキーシフト」という言い方の統一でいいんだと思います!
ノンロッカークラッチの事を「スーサイドクラッチ」と言われて認識される事と同じだと思います。
結局どれが正解とか間違ったなんていう事は、どうでも良くて常に時代と共に変化していきますよね。
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