古いバイクでエンスト時の対処法(何を確認すれば良いの?)
目次
● 古いバイクでエンスト時の対処法
古いバイクで突然エンストしたら何をチェックすれば良いの?
古い昔のバイク(旧車)で、
突然エンストしてしまう症状と言いますのは、
・すぐエンジンが再始動できたり ・極端にエンジンがかかりづらくなったり、 ・うんともすんとも言わず、まったくかからなかったり
といった上記3種類の故障パターンの症状が現れます。
稀に覚えているか覚えていないか?の頻度で
キャブレターからパスッ、プスッといった
クシャミ(息継ぎ・バックファイヤー)による前兆が発生する事もあります。
主な症状としましては、
キャブレターからプスッ、パス、パンッ...etc!とクシャミが連発します。
マフラーやキャブレターからパンパンパン、バンバンバンバンの連続音や、始動時にパーンッ!といった大きな破裂音がします。
マフラーが外れていた場合にはポワポワポワポワポワポワといった音もなります。
他にもアイドリング状態から走行状態の音が、いつもと明らかに何かが違う感じがします。
アクセルを煽った時の吹け上がりがおかしいです。
加速時のパワー感が足りない感じがします 。
単気筒のような音で片肺症状になります(2気筒、3気筒、4気筒の方が1気筒だけ死ぬ症状がよくあります)
いつもと比べて何かが調子が悪い感じになります。
どんな方でも普段乗っている自分のバイクであれば、多少なりともフィーリングを感じて分かる事が多いと思います。当時バイクの知識が全然なかった自分ですら明らかに、この変化には気づきました。
正常時に比べてエンジンの始動性が悪くなります。
徐々に悪くなるパターンと突然のパターンがあります。
前兆として、稀に始動性が悪くなる事があります。
これは気づくか気づかないレベルですね。といった前兆の症状が必ずあります。これ系のトラブルはプラグや燃料系やキャブ関連に多いです。
突然これらの症状が発生するパターンもあります(特に点火系/電気系統です)
まずは冷静になって慌てないことが何よりも大切だと考えます。
しかし、いざ出先で動かなくなったら不思議なもので慣れていないと慌てるものだと思います。
これは何度も経験しているのですが絶望的な気持ちになるのは、本当によく分かります。
プラグを取り外してプラグの色をチェック
プラグの色合い次第で、
・燃料系(ガソリンキャップ・コック・ホース・ガソリン有無・燃料フィルター・キャブレター)が原因なのか? ・点火系~電気系(バッテリー・イグニッションコイル・レギュレーター・点火装置システムのフルトラ、セミトラ、ポイント点火、オルタネーター、ステーターコイル、配線のリーク、マイナスアース外れ)が原因なのか?
簡単に診断(判断)することが出来る場合があります。
本当に稀なケースで滅多にないのですが、圧縮(エンジンの問題)が原因なのか?という事もあります。
この場合滅多になくキック付きのバイクでしか圧縮は確認する事が出来ません。
プラグホールに指をいれてキックをする手順で吸引力を確認する事ができます。
プラグが濡れていた場合は、ガソリンの被り状態です。
プラグを取り外して布やふきんで拭く or アクセル全開でセル or キックして乾かして下さい。
黒くカーボンのような「くすぶり状態」であれば、キャブレターに問題があります。
セッティングが濃い状態なのでエアスクリュー or ミクスチャー(パイロットスクリュー)を薄めてみます。
それでも解決しなければ、キャブ内部に問題がある可能性が高いので、キャブレターのOH(オーバーホール)が必要になってくると思います。
当方では過去にSUキャブの○○○が悪さをしていた事がありました。
チョーク機構の○○○&○○○の劣化で○○○がエンスト原因でした。
これらを新品に交換して解決しました。
他にはキャブのフロート部分のフロートバルブの詰まりだったり、キャブレターには燃料を調整できる「ミクスチャー」・「エアスクリュー」が付いているのですが、そこのOリング劣化による二次エア(空気)を吸う状態ですね。
SUキャブでは新品の○○○を購入して二次エアを起こす症状がありました。
また、エンジンとキャブレターを繋いでいる部分のインテークマニホールドシールの劣化も考えられます。
ここから余計な空気(二次エアー)を吸いやすくてエンストなんて事も、よくありがちですね。
稀に点火系が問題でプラグが被るといった症状もあるのが厄介ですが、一般的にプラグが正常でエンストする場合には点火系統を疑って下さい。
点火時期の調整次第では遅すぎたりしてもエンストの問題にもなります。
プラグの色も前後で大幅に異なりますので要注意です。
エンジンの温度(油温)のチェック
→ 判断材料として「100度」を超えてなければ大丈夫です。
100度を超えてしまっている場合には
オーバーヒートが考えられますので、
日陰で30分~1時間程度休ませてあげて下さい。
稀に油温計が壊れている場合もありますので要注意です。
バッテリーの電圧チェック
一般的なバッテリーであればテスターで最低でも12.0V以上あるのが理想です。
リチウムバッテリーであれば最低でも13.0V以上が理想です(リチウムで13V以下であれば問題です)
テスターを持ち合わせてなければ、まずはイグニッションをONにしてヘッドライトやウインカーが点灯するかどうか要チェックです。
→ 点灯しない場合、バッテリー・ブレーカー、レギュレーター、配線のリーク、マイナスアース配線、オルタネーター、ステーターコイル or ジェネレーターの順に確認していきます。
点火系統・電気系統が問題&原因の場合
・バッテリー端子の緩み(振動が多い旧車には、よくありがちです) ・特にバッテリーに繋がっている(-)アースをご確認下さい。 ・プラグコードの緩み(振動が多い旧車には、よくありがちです)
・火花が飛ぶかチェックします(プラグにプラグキャップを取付けてエンジンヘッド付近に置いてキック) ・コイルを素手で触ってみます(手で触れないくらい熱ければ、コイルがNGです)
・ポイント点火の場合(ポイント & コンデンサー) ・ダイナSの場合(ダイナS自体の故障) ・ヘッドライト&ウインカーが点灯しない場合(バッテリー・ブレーカー・レギュレーター・オルタネーター・ジェネレーター)
→ 点火系が原因の場合、走行中にマフラーからパンパンッ!といったアフターファイアーの前兆がある事が多いです。
燃料系(ガソリン系統)が問題&原因の場合
・ガソリンの残量(ガス欠なんて事も!) ・ガソリンコックはONになっていますか? ・ガスキャップの空気弁(キャップに息をかけて要確認)
・アクセルを煽って加速ポンプ or ティクラーでガソリンが出るか確認。 ・エアクリーナーを取り外して確認です。 ・ガソリンが出ない場合、ホースの詰まり or 燃料フィルター or コックを疑って下さい。 ・マニホールドのシール劣化(アイドリング中にパーツクリーナーやクレ556を拭いて確認)
→ 燃料計が原因の場合、何の前触れもなくプスンっとエンストする印象です。
エンジンが問題&原因の場合
・キックが軽すぎて圧縮がない状態になっています。 ・プラグがガソリンではなく”オイルで濡れている症状” ・ヘッドガスケット抜け。
・マフラーから白煙が出ているオイル下がり ・オイル下がりの症状
エンジンが問題の場合、プラグがオイルで濡れる or 白煙の症状が1つの判断材料となります。
アイドリングが安定せずにエンストする原因とは?
アイドリング時の頻繁な多くの場合、
燃料系トラブル
or
点火&電気系トラブル
のどちらかが原因になります。
燃料系トラブルの原因とは?
・ガス欠(ガソリンが入ってない) ・ガソリンキャップの空気弁の詰まり ・ガソリンコック
・ガソリンホース(燃料ホース) ・ガソリンフィルター(燃料フィルター)の詰まり、汚れ
・キャブレター関連のトラブルが多いです。 ・フロートバルブ、ニードルバルブの詰まり、フロートの汚れ、二次エアー症状。 ・インテークマニホールドシールの劣化が多いです。
セッティングが薄すぎても濃すぎてもエンストはしますのでプラグの色が白すぎたり黒すぎる場合は「キャブレター」を疑います。
点火系・電気系統のトラブルの原因とは?
・プラグ ・プラグコード
・イグニッションコイル(もっとも壊れやすいです) ・ポイント点火の接点の汚れ、錆、摩耗、消耗 ・ポイント点火のコンデンサー
・ダイナS ・ガバナー
・バッテリー ・レギュレーター
・配線 ・ブレーカー、ヒューズ ・メインスイッチ(イグニッションスイッチ)
点火系や電気系統は一つでも故障しているとエンジンがかかりませんので要注意です。
もしエンジンがかったとしても、すぐにエンストしてしまいます!
詳しい内容につきましては、ぜひ下記のハーレー内容をまとめたメモ帳をご覧下さいませ。
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