ショベルヘッド始動不良トラブル&故障(大苦戦編)
目次
● ショベルヘッド始動不良トラブル&故障(壊れる編)
どんなトラブルだったの?
ショベルヘッドの「エンジン始動不良トラブル(故障/壊れる)」のお話になります。
ある日、突然に何の前触れもなくエンジンがかからなくなってしまいました…
これから初めてショベルヘッドや古いハーレーを購入しようと考えていたり興味がある方も見ていると思います。
誰でも理解できるように1つ1つ分かりやすく解説しておりますので、ぜひご覧になって頂ければ幸いです。
現在、最新のバイクに乗られている方でも、いざトラブルに遭った時に役立ちますので、ぜひ皆様には覚えて頂きたいと思っています。
本内容は、かなりの長文になっております。
よくありがちなショベルヘッドのキックスタート(キック始動)でエンジンが全然かからない方・始動しない&始動しづらい問題で、お悩みの方は下記をご覧下さいませ。
→ 季節問わずエンジンがかかりづらい方 & 冬になると極端にかからない方は絶対に必見です!
ハーレーのトラブルシューティング
バイクでエンジンが始動しなくなった時に試す「ハーレーのトラブルシューティング」の定番になります!
1.エンジンの圧縮OK(エンジン系)
→ 当方のエンジン始動方法はキックになるのですが、十分すぎる重さが感じられる圧縮があります。
プラグを取り外して指を突っ込んでキックする事でエンジンの圧縮といった圧力が吸い込まれるように感じられます。
この圧縮を簡単に説明しますとエンジン内の強力な空気圧になります。
この圧力が極端に小さく下がったり、完全になくなる事で元気にエンジンをかける勢いがなくなってしまいますので、エンジンの修理(OH=オーバーホール)が必要になってきます。
これらを圧縮比といって数値で表すことが多いです。
もしくは、エンジン内にエンジンオイルが入り込むトラブルや故障で白煙が出るトラブル(オイル上がり/オイル下がり)でもエンジンの修理が必要になってきます。
どちらもショベルヘッドに関わらず、ハーレーや一般バイク、車のエンジントラブル故障の代表格となります。
エンジントラブルといったら、この2つが本当に多い故障内容になります。
2.ガソリンOK(燃料系)
→ 車体右から見て2つあるV型エンジンのド真ん中の上に付いているキャブレターと言われる装置の加速ポンプからのガソリンが出るかどうかを確認します!
きちんとガソリンの匂いや空キックする事でプシュ~っといった音がしています。この音がすれば、エンジンにガソリンが流れて吸われている証拠になります。
古いバイクはアクセル(スロットル)をひねりますと、このキャブレターからエンジンに向かってガソリンが飛び出ます。
ハーレーはリッター(1000cc)を超える大排気量エンジンになりますので、冷間時の始動においては、この加速ポンプでガソリンを送らないとエンジンがかからない仕組みになっています。
この加速ポンプ機能がないキャブレターは、どうなるんだ?と疑問に思いますが、チョーク(燃料を増やす機能)にて空キック(キーをOFFのままでキック)をする事でエンジン内にガソリンを吸い込ませるために必要になります。
そのために古いハーレーでエンジンをかける際に「空キック」と言われる儀式が必要になります。
3.プラグの火花OK(点火系/電気系統)
→ 力強く青白い火花がキックする度に確認出来ました。
タンクから燃料ホースを伝ってキャブレターからエンジンまで流れてきたガソリンとプラグの火花が融合することで、エンジンの中で大爆発が起こります(ガソリンが入った状態でプラグに火がつくと爆発します)
この爆発をすることで、初めてエンジンがかかる仕組みになっています。
もしもプラグから火花が出ないトラブルになりますと、点火系(エンジンをかけるために必要なパーツ部品のダイナS・ポイント点火/コンデンサー・ダイナ2000i、イグニッションコイル)や電気系統(バッテリー周りやブレーカー/配線関係)のトラブルを1つ1つ疑って見ていく必要があります。
以上がエンジンをかけるために必要な「3つの大原則」と言われております。
一般的には上記3つの条件をクリアする事で絶対にエンジンがかかります。
それなのに、なぜだか?自分のバイクは上記全てがOKの条件で、何度も何度も繰り返しキックをしてもエンジンから何も反応がない状態でした。
これが、うんともすんとも言わない状態で「無反応」でした。
解決するまでに
点火系から電気系統(プラグ~プラグコード~イグニッションコイル~点火装置のダイナS & ポイント点火の接点~コンデンサー~ブレーカー~バッテリー~レギュレーター~オルタネーター(ステーターコイル)~車体の-マイナスアース~イグニッションスイッチ/メインキー~スイッチ系~ヘッドライト~ウインカ~テールランプ~メーター~各種配線の腐食/リーク/接点不良の確認と見直しまで)
燃料系(タンク~タンクキャップ~燃料コック~燃料フィルター~ガソリンホース~キャブレター~キャブのフロート~ニードルバルブ/フロートバルブ~ガソリンがエンジンに来ているかどうか?)
二次エアー症状(インテークマニホールドのシールやキャブレターからの二次エアー症状の確認有無)
4速ミッション系(キックからクラッチ周り~ベルトやチェーンの張り具合)
まで色々と徹底的に調べました。
かな~り久しぶりの大トラブル騒動となりまして、約3ヶ月ちょっとの間、毎日x2 試行錯誤を続けておりました。
結論から言いますと、
今回は過去の経験から「ベスト3」に入るくらいの大苦戦でした…
本題に入る前に、まずは過去の3大トラブルの故障を振り返ってみたいと思います。
これまでエンジンが始動せずに大苦戦したトラブル内容のBEST3は以下の通りになります。
過去の大苦戦トラブル & 故障「BEST3」
1.エンジンの故障(どんな内容だったの?)
→ 真冬になってから突然だったのですが、まったくエンジンがかからず始動しなくなりました。
原因は、な、なんと!?
バルブ曲がり & バルブガイド割れでオイル下がり症状…
このバルブやガイドという物は難しくて何のことか、さっぱりですよね(私も全然意味が分かりませんでした)
簡単に説明いたしますと、ショベルのエンジン最上部の中に入ってあるトイレの詰まりを直す道具(ラバーカップ)= Tの形をした棒みたいな物が曲がって、おかしくなっておりました。
ガイドというのは、このバルブをいれる受け側の部分ですね(お菓子でいうクリームコロンを長くしたVerやトッポみたいな物です。クリームやチョコが入る部分にバルブが入ります)こちらの受け側が、ひび割れておりました。
この他にも「エンジンのヘッドガスケット抜け」なんてありましたね…。
ガスケットとは?
ショベルのエンジンは上部と下部に分かれているのですが、その間に入っているガスケット=紙みたいな物が千切れてなくなってしまう症状です。
よく「ヘッドガスケットが飛んだ」と言うのですが、これはエンジンオイルが漏れないようにボルトで言う所のワッシャーや水道周りで言うOリングやゴムパッキン、シールテープみたいに密閉する役割をしています。
このヘッドガスケットがなくなってしまうと機関車のようにエンジンの上と下にある間の隙間から煙を吐きながら、突然の夕立(雨)と共に、なんとか騙し騙し走っていたのも今となっては、良い思い出です!
その後、晴れ間がさして走っている内に洋服も風によって、すっかり乾いていた初めての思い出があるので、今でもよく覚えています。
土砂降りに遭っても晴れた事によりバイクで、しばらく走れば洋服も完全に乾きますので覚えておくと便利ですね!(20kmも走行していないと思うのですが、乾燥機並に完全に乾いた状態になりましたので衝撃でした)
この時も当然ながらバイク整備の知識は全然ないのにショベルヘッドに乗ってました(^^;)
やっとバッテリーの充電方法とプラグ交換を覚えたての頃で、次のチャレンジとしてキャブレターを初めて取り外して分解してみた時くらいだったと思います。
これもまた、新たな感動がありましたね!
2.赤信号の度に不意にエンストしてしまう困ったちゃん問題
数km走行後、数百メートルの信号ごとにエンストしながらも諦めずに乗り続けてました…
→ 納車して間もない頃だったのですが、エンジンのOH直後で1340ccの重いキック始動のみで全然知識がなかった自分には、それはx2 本当に大苦戦でした。
それよりも、いくつかの旧車ハーレー専門店の修理屋(カスタムバイク屋さん)へ依頼したにも関わらず、原因を特定してもらえず、最終的に自分で原因を特定して解決出来た時の喜びは今でも忘れられません。
この時はプラグ交換やバッテリー交換すらした事がないド素人で全然知識がない状態でした。
どのバイク屋さんも「エンジンOH直後はエンジンが渋いので、こんなものだよ」と言われた時には、本当にガッカリしたと同時にショックでした。
↑この言葉をずっと信じており、とにかく距離を走って稼がなければと一生懸命と必死になり、赤信号の度にエンストしては必死にキックでエンジンをかけるの繰り返しで数ヶ月の間、平然と乗り続けていました。
確か当時はガソリン高騰の中、必死になって無駄に走りまくっては、とにかく距離を稼いでおりました。これが無駄だったとは!?
そんな事よりも今にして振り返りますと、「とんでもない事をしていたな…」っと我ながら思います。
ショベルヘッドという乗り物は、これくらい出来事が起きても、へっちゃらになるくらいに「楽しさと魅力」が上回るみたいです。
本当であれば、もうこの段階で手放していてもおかしくないですよね…
当然、これだけに留まらず、何度も手放そうと思って嫌な思い出が沢山あります。
何よりも、
頼れるはずのプロの言葉がこれでは…、もう自分にはどうする事も出来ません。
この時はショックと同時に、とても悲しく絶望的でした…、
しかし!
そういう過去の出来事があったからこそ、自分で整備を覚える気になった1つのきっかけだったかもしれません。
その時は、どん底に突き落とされた気持ちでしたが、結果的に良かったです。
人間は最大限のピンチの状況になった時にチャンスに変えられるとは、
まさに、この事かもしれません。
3.購入したばかりの頃にキックのコツが良く分からずに大苦戦…
→ 特に真冬のキック始動において突然エンジンがかかりづらくなりました。
乗る度にエンジンがかからないので大苦戦しておりました…
真冬で20分、30分以上は当たり前でした。
へたしたら40分、50分、1時間以上?もキックと格闘しておりました。
ショベルに乗る度にエンジンがかかるまでは長い持久戦だと思って本当に諦めきれずに、いつもしつこく粘ってました。
(1)のエンジン故障の時は根本的な原因が不明で分からなかったので何時間以上も粘ってました(^^;)
実は、これ「一番やってはいけない典型的な例」なんです。
なぜなら、むやみになってエンジンをかけ続けてしまいますと、他の故障も招いてしまい余計原因が分からなくなってしまうからなのです。
今の車で言う分かりやすい例がバッテリー上がりですね。
エンジンがかからない状態なのに何度もセルを回し続ける事でバッテリーが消耗してだめになってしまいます。
それ以外にもセルモーター/スターターを回すための関連パーツだったり、点火系パーツ(エンジンをかけるために必要なパーツ部品)が壊れてだめになってしまいます。
これぞ、負の連鎖になってしまうんです。
もう、こうなってくると「セルモーター/スターター」をつける一歩手前までいったのも、今となっては良い思い出です。
参考までにショベルヘッド、パンヘッド、ツインカムのソフテイル/ダイナ(TC88/96)ではオープンプライマリーベルト形式のまま後付できるセルモーターもあるのですが、テックサイクル製(Tech Cycle製)セル付きスターターモーターの本体価格25万+取付加工の工賃費用で軽く30万~40万をオーバーしてしまいます。
しかしながら、きちんと整備されたショベルヘッドにてかかりやすいセットアップをすれば、キック始動オンリーでも国産車並と言いますか、セルのように楽々エンジンがかかります。
詳しくは古いハーレーのエンジンのかけ方/儀式とは?(キック始動手順と意味)/ 季節問わずエンジンがかかりづらい方 & 冬になると極端にかからない方は絶対に必見です!をご覧下さいませ。
当方のバイクはキック始動のみになっています。
今振り返りますと、 数件のバイク屋さんで言われた「古い昔のハーレーは個体差がある」なんて事はありませんでした。
もしあるとするならば、稀にガソリンを多く送らないとかからない車両の差があるくらいだと思っています。
この原因は、単純に「ショベルにとってエンジンがかかりやすい好条件のセットアップ装備」&「条件を知らなかっただけ」でした。
これは自分なりに、「どうすればショベルでも安心して誰でも簡単にエンジンがかけられるようになるのか?」← 誰でも簡単にっていうのが最大のポイントになります。
長年の間、試行錯誤の実験と検証を続けまして、 今では真冬でも「100発100中の一発始動」を手に入れる事が出来ました。
国産車両並に、あっさりかかります。
逆に一発(最低でも2~3発)でかからないと、明らかに何らかの「原因 & 不調」がある状態という事も判明しております。
それくらいエンジンのかかりが悪いショベルなんて「整備不良以外の何者でもない」と断言出来ます!
詳しくは【ハーレー】ショベルヘッドまとめメモ帳(困った時の故障&トラブルノウハウ集)にて解説しておりますの、ぜひです!
購入当初は自分に全然知識がなかった事も関係しているのですが、これまでインジェクションのスポーツスターに乗っていた事もあってトラブルとは無縁でした。
そんな中、無謀にも興味本位だけでショベルヘッドを手に入れた経緯がありました。
上記の故障以外にもショベルヘッドには本当に手が掛かりすぎました。
最初の数年間はショベルヘッドに乗る度に「マイナートラブルは日常茶飯事」で何十回もレッカー手配 & バイク屋さん(ハーレー旧車の修理専門店へ依頼)のお世話になったか数え切れませんでした…。
ショベルを何度手放そうと思った事か、本当に数え切れません。
そして、最初の数年間は「壊れては修理するの繰り返しは当たり前」で、今にして振り返ってみますと「とんでもない金額」の「修理代(工賃)」と「カスタムパーツ代」を注ぎ込んでしまいました…
当然、修理中は乗れない期間も多いので無駄に時間だけが過ぎ去っていきます。
これが何よりも一番つらかった思い出デス!
何よりも自分は諦めが悪いのが幸いでしたが…
これ何も知らずに見た目のカッコよさだけでショベルを手に入れて手放した方は、どれだけの数がいることか数しれずだと思います。
そのくらい頼れる存在の方が周りにいないと本当に苦労の連続になると思います。
これから古い昔のハーレーやショベルに興味を持った方には絶対に同じ目に遭ってほしくないので、ぜひ!
詳しくは【初心者の方へ】初めてのハーレー&古いバイクの完全攻略法 まとめメモ帳(車両の見極め方法/維持費/厳選SHOPリスト/適正工賃相場)にて解説しております!
それでも乗っていて最高に楽しいのがショベルヘッドの「最大の魅力」であると思っています。
またまた余談が長くなりすぎてしまい誠に申し訳ございません…
ここからが、ようやく本題なのですが、
いつも通りキック一発にて始動後に暖気しながら、チョークを緩めると、突然エンジンがストップしました。
いわゆるエンスト症状になります。
真冬の暖気前という事もあり、たまたま寒いせいなのかな?と最初は全然気にもしていなかったのですが、これが後で大変な道のりになってしまうとは…
何度かキックを繰り返しますが、一向にエンジンが始動する気配がない・・・
詳しい症状を説明いたしますと、
エンジンから何も反応がない状況 = 初爆すらせず(バフ、ボフ、ボンッ等が一切なし)で、うんともすんともいわずに粘って粘って最後に1回だけエンジンがかかるだけでした。
この時もチョークを引くと、すぐエンストしました。
ショベルヘッドの始動不良トラブル & 故障編
最初にした事とは?
まずはプラグを新品に交換しました。
次にバッテリーの電圧をチェックしましたが「13.01V」
→ これはキックを繰り返した事で電圧が低下していたと思います。
基本となるプラグの火花をチェックしてみたのですが、正常に飛んでました。
この時、必ずイグニッションコイル側にあるプラグコード穴2つ分の火花を確認する必要があります。
長いコードを入れ替えればOKです。
当然、点火時期をチェックしまして、プラグホールに指を入れて物凄い圧力と音と共に圧縮が感じられます。
次に燃料系統の
・燃料コック ・ガソリンキャップの空気弁 ・ガソリンフィルター ・燃料ホース ・キャブレター
上記の流れとキャブ内のフロートボール(溢れんばかりのガソリンでした)
加速ポンプも勢い良く噴射しています(ガソリンの臭いもしています)
いくらキックしても、うんともすんとも言わないので、次にイグニッションコイルを疑いつつ、この日は最後に1度だけ始動しただけで、別の日に改める事にしました。
別の日に、まずコイルを取り外して電圧で計測した所、予備で持っているダイナ製の新品コイルと同じく正常な数値でした【一次側:5.0~5.1Ω・二次側:16.66Ω】
ダイナSから繋がっている白線・青線と白く酸化している部分も疑いまして、接点復活剤で青線・白線・バッテリーからの(+)配線を綺麗にして丸型の圧着端子も新たにつけ直しました。
そのまま同じイグニッションコイルを元通りに戻して始動チェックした所、相変わらずで最初の初爆のみマフラーからアフター音(破裂音のパーンッ)だけがしました。
その後、初爆もせずに反応がなく、うんともすんとも言わない状態でした。
ここまで判明している事
・プラグから火花が出ています。 ・コイルの抵抗値は正常(新品同様の数値) ・燃料系統のガソリンもキャブのフロートと加速ポンプまできています。 ・点火調整もOK・指で圧縮も感じています。
過去に火花OK・抵抗値が正常でもイグニッションコイルが故障していた経験がありましたので、ここで点火系ではないなと油断してはいけません。
イグニッションコイルを新品に交換してみました。
あっさり、すぐに始動OK!
原因は「イグニッションコイル」だ!
これにて解決!っと
油断していたのもつかの間、、、です。
アイドリング音に少し違和感?があって、音が安定していないように感じました。
次の日にエンジンをかけようとしたらかからず。
またまた同じ現象が起きてエンジンが始動なくなりました。
嫌な予感が的中しました。
その後、プラグコードを新品に交換してみました。
【新品の抵抗値】↓長いコード・短いコードの順番になります↓
・【新品】アクセル300+:199.5Ω(導通なし)・43.5Ω(導通あり) ・【古い】アクセル300+:183Ω(導通なし)・48Ω(導通あり)
→ 見た目は正常・火花OK・導通 & 抵抗値が新品とほぼ変わらない数値で故障していたので非常に厄介でした。
これは初期不良も考えれるな!っと
もう1つの新品プラグコードに交換しましたが
エンジンがかからず…
こうなってくると点火システムになってくるので、
次に「ダイナS」を新品に交換!
それでもエンジンは始動せず。
ちなみにダイナSも以下の通り一通り、
テスターで一通り点検して異常はありませんでした。
ダイナS(ローター&ピックアップ確認)
・●ローターにある2つの磁石OK(ドライバーで接触確認) ・▼ピックアップセンサーの裏面の白錆も取っていたので問題なし。 ・▼と●が接触する点火タイミングでコイルの(+)(-)「12.98V」で正常 ・▼と●がしないでコイルの(+)12.68~80V・(-)1.08Vで正常 ・プレートの抵抗&導通:(古いダイナS)12.08KΩ(+)と(-)で数値が一緒で全て導通なしで【正常】です。 ・新品ダイナS:14.78KΩ(+)と(-)で数値が一緒で全て導通なしで【正常】です。
→ 古いダイナSは、新品のダイナSと数値がほぼ変わりませんでした。
火花OK・テスターで抵抗、導通はOKなので故障は考えづらい。
最初に少し怪しいと思ったバッテリーを注文して検証。
プラグも一緒に新品に交換して火花を確認すると力強く見えました。
薄暗く朝方だったから力強く見えただけかもしれません。
しかし、エンジンがかからず。。。
しばらく時間を置いて諦めかけていた時に、あっさりとかかりました。
再始動も、あっさりかかります(意図的に何度も切って再始動もOK)
・始動OK:新品バッテリー+新品プラグ+新品プラグコード+新品コイル+古いダイナS
その後、今がチャンスだと思いまして、
・古いバッテリーに戻して「始動OK」 ・古いコイルにすると「始動せず」 ・新品コイルにすると「始動OK(何度も切って再始動OK)」
ここでコイルが完全に悪さをしていたな!と思っていたら、またエンジンが一切かからなくなる症状が発症。
最後にエンジンが始動していた状態
・新品バッテリー+新品プラグ+新品プラグコード+新品イグニッションコイル+古いダイナS ・古いバッテリー+新品プラグ+新品プラグコード+新品イグニッションコイル+古いダイナS
かからない時は、うんともすんとも言わなくなります。
ちょっとしてからエンジンをかけたら、またかからず。
完全に迷宮入りしてしまいました…
インテークマニホールドにあるシーツの劣化をチェックしてみましたが正常な状態でした。
念のため、新品に交換。
ブレーカーも新品に交換してみます。
長くなってしまいそうでしたので、その後も色々と試して内容をまとめてみました。
ここまでエンジンがかからない症状のまとめ(トラブル & 故障の症状)
・エンジンが始動しない症状でした(火花OK・燃料OK・圧縮OKの状態です) ・運が良いとかかります。 ・一番最初にマフラーからアフター音(パーンッ)といった破裂音が1回あるだけです。 ・その後はエンジンから何も反応がありません(うんともすんとも言いません) ・調子が良くかかる日は、あっさりと一発でかかる日もあります。 ・少し時間おいて試すとかかっている事が多いような?感じがしています。 ・エンジンがかかりそうな時は、いきなりかかるパターンとボンッ、ボンッ、ボンッ、ともう少しはっきりとした爆発になり、徐々にエンジンが目覚めてくれるパターンもあれば目覚めないパターンもあります。 ・エンジンがかかればアイドリング~走りまで絶好調です。 ・力強いアイドリング音~吹け上がり~正常に充電されて問題なし・エンストする気配なし。
再びここまで試した内容
・点火系パーツは火花が出ている状況でも全て新品に交換しています。 ・古い物もテスターの数値・導通は問題ありませんでした。 ・新品との組み合わせパターンも散々試しました。 ・何度も点火調整をしていますが、プラグホールに指を入れると物凄い吸い込みの圧力と空気音がしているので圧縮は問題なし。 ・燃料系もキャブまでガソリン確認・フロートOK・加速ポンプもバンバンでます。 ・インマニのシールも再チェックしてシールを新品に交換しました。 ・火花OK・燃料OK・圧縮OKで、ずっとかからない症状が続いています。 ・調子が良い日だと、いつもの感じで一発ですぐかかります。 ・ここまで点火OK・燃料OK・圧縮OK。
点火系&電気系統をみていきます。
・火花OK ・点火調整OK ・新品バッテリー ・新品コイル ・新品ダイナS ・新品プラグコード ・新品プラグ ・運良くかかれば正常に充電されているのでオルタ、レギュレーターも問題なし。
最初から「火花」も正常に出てました。
取り外した古い点火系パーツも「抵抗値・導通」は全て問題ありませんでした。
目視で確認出来ていてもトラブルはつきものだと思いますので、1つずつ新品に交換して検証。
コイル、ダイナSは新品と古い物で「磁石、導通、抵抗値、電圧も全て正常値の範囲内」でした。
点火信号時の電圧もコイル側(+)(-)で12V異常きており正常。
点火信号時有無も確認済みで(-)側の電圧もチェック済みで正常です。
●ロータ・▼ピックアップも問題なし。
ブレーカーも問題なかったのですが、全て新品に交換しています。
最初から火花もでていても1つずつ疑いましたが、点火系パーツは新品全てと古い物と新品を組み合わせて全て試して何も状況が変わらなかったので点火系が原因ではないと判断しました。
・エンジンの圧縮
→ 問題ありませんでした。
・キック始動
→ 問題ありませんでした。
以前にキックが完全に途中で止まった時にはクラッチケース内に粉が溜まっていた事が原因でした。
ミッション側のベルトがあるプーリー(クラッチ滑り)が原因で、きちんとクランクまで動力が伝わらずにエンジンがかからない症状です。
・燃料系(ガソリン)
最終的に再度、原因の可能性として一番疑っています
・キャブまでガソリンを確認しています(フロート&加速ポンプも全然問題なしです) ・11月下旬にインマニシールも交換したばかりで綺麗でしたが、再度新品に交換(入念にチェック) ・ダイヤフラムも見た限りでは異常なし・エンジンがかかれば吹け上がりは良いです。 ・しかし、まだ油断はできません。疑う必要がありそうです。 ・フロートのドレンホース(5mmがなかったので6mmをつけています。でも、トラブル直前まで6~7回乗っていたので考えづらいです) ・エンジンがかかればアイドリングから吹け上がりもスムーズで正常です。 ・スロージェット問題(○○の1番~2番上げてもかからず・そもそも12月上旬に寒い日があって○○○番でかかっているので問題かったです) ・セッティング問題(あえてスロージェットを2番手あげた○○○番にて試乗しましたが、どうも薄い感じがします。○○○番と乗り心地が変わらずもう少し濃くなってもおかしくないはずです)
点火系 ↓ 燃料系 ↓ キック(クラッチ) ↓ エンジンと疑ってきまして、 また点火系 ↓ キック(クラッチ) ↓ エンジン ↓ 燃料系 ↓ 点火系...etc
以降繰り返しと続きまして、
これ以降も毎日x2、悪戦苦闘を繰り返しまして
結果的に約3ヶ月近く試行錯誤を続けて、ようやく無事に解決いたしました。
本当に珍しく稀のケースだと思うのですが、最終的に5つの原因に絞り込みました。
偶然にも複数のトラブル(不調)が重なった事で始動不良トラブル(エンジン始動困難)となっておりました。
原因追求まで約3ヶ月掛かってしまうくらい困難な道のりでした。
トラブルの原因を特定するまでが大変な道のりとなりまして、その過程で予備の新品パーツを沢山買いすぎて無駄な出費が多かったです。
検証用パーツの購入だけで10万円以上も掛かってしまいました…
ぜひ皆様には無駄な出費 & 同じ原因不明のトラブルに遭わないようにするためのショベルヘッドの攻略本ではないですが、今回の原因は「【ハーレー全般で使える!】ショベルヘッドまとめメモ帳(困った時の故障&トラブルノウハウ集)」にて解説しております。
アイドリング音もバッチリになりました。
明らかに始動しないトラブル前とは異なります。
以前のように冷間時の始動~再始動、全て100発100中の一発始動を取り戻しました。
今回は色々と点火系を疑っていきましたが点火系を疑った理由としまして、以前から少し気になる以下の前兆があったためです。
メモに残していなければ、気づかないレベルです。
気になっていた前兆
1.燃費がほんの少しだけ悪化してました。
→ 以前コイルが故障した際は-5km/㍑の差があったので気づいたのですが、今回は-2~3km/㍑僅かの差です。
2.気になる程ではないのですが、キャブレターの調整後から少しだけアイドリング時の乱れが気にはなっておりました。
→ いつも一発始動で正常な時が多かったので深く気にしてませんでした。
3.1ヶ月くらい前に1、2回だけ始動性が悪くなってエンスト症状がありました。
→ その後、ずっと調子が良かったので全然気にしていなかったです。
4.真冬になってから濃いニードルにも関わらず暖気前のみキャブからの吹き返しが2~3回ありました「パシュッ」
→ 新たなセッティングでの冬で暖気後は正常で始動性も絶好調だったので気にもしなかったです。
5.フロントプラグだけ少し黒く濡れてしまう症状。
これまでのトラブル経験で判明した重要な内容と教訓
・バッテリー & 点火系(プラグ・プラグコード・コイル・ダイナS)の故障において「プラグの火花(目視で確認出来ても全然始動しない事が沢山ありました)」と「抵抗値(導通)」はあてにならない事が本当に多かったです。 ・始動不良の際には必ず「プラグ」「プラグコード」「イグニッションコイル」「バッテリー」「点火システム(ダイナS・ポイント)」の5セットを新品に交換して1つずつ検証する方法がおすすめです。 ・過去にエンジンOK・燃料OK・プラグの火花OK・テスターの抵抗値が正常でも故障した経験がありましたので要注意です(万が一の事も考慮して新品の初期不良も疑って下さい) ・ガソリンOK・火花OKで始動不良の際には「クレ556」をキャブ内から1秒程度かけてエンジンがかかるどうかを試す必要があります(燃料系に原因があるかどうかの切り分けが出来ます) ・イグニッションコイル・プラグ・プラグコード・ダイナS・ブレーカー・バッテリーの点火系システムが中途半端に故障するとマフラーからアフター音「パーンッ(鉄砲の音)が鳴る」&「燃費が悪くなる」特長がありますので見逃せません。 ・これはエンジン内で正常に点火出来ていない証拠 = 燃えなかった不燃焼ガソリンが空気(酸素)と混ざってマフラーまできてしまっているので点火不良の最大の特長です。
それ以降はうんともすんとも一切反応がない状態になります。
季節問わずエンジンがかかりづらい方 & 冬になると極端にかからない方は絶対に必見です!
詳しい内容につきましては、ぜひ下記のハーレー内容をまとめたメモ帳をご覧下さいませ。
【ハーレー全般で使える!】ショベルヘッドまとめメモ帳(困った時の故障&トラブルノウハウ集
誰が見ても理解出来るように1つ1つ項目別に丁寧に分かりやすく解説した初心者向けの詳しい内容となっておりますので、他の解説や整備本で分からなかった方でも絶対に理解出来ると思います!
ハーレーによくありがちな故障&トラブルに関する知識が誰でも簡単に身につきまして
初めてのハーレーや古いバイクを購入して1円でも安く維持していくために失敗や後悔をしないための秘訣とトラブル経験ノウハウ集の対策になっております!
皆様にハーレーに関する「こういう事が知りたかったんだよ」と思って頂けるような内容に凝縮して全て解説した上で重要な要点だけをまとめた集大成になっております。
当方の説明が少しでも分かりやすいと感じられましたら、ぜひショベルヘッドまとめメモ帳に目を通してご検討頂けますと本当に嬉しく思います(^-^)/
ショベルヘッドのキックスタートで始動しづらい方は要必見(季節問わず/真冬)
ハーレーのエンジンスタート始動手順&かけ方(キャブ車/キック/セル)
エンジン始動時の大切なポイント(空キック時のアクセル全開/全閉)
CVキャブレターのセル&キックスタート始動手順(エンジンの正しいかけ方)
SUキャブレターのセル&キックスタート始動手順(エンジンの正しいかけ方)
ミクニHSR42キャブレターのキックスタート始動手順(エンジンの正しいかけ方)
Eキャブレターのキックスタート始動手順(エンジンの正しいかけ方)
ケイヒンバタフライキャブレターのキックスタート始動手順(エンジンの正しいかけ方)
リンカートキャブのキックスタート始動手順(エンジンの正しいかけ方)
CVキャブのベストセッティング調整方法 簡単解説(ハーレー)
SUキャブレターのセッティング簡単解説(エアスクリュー調整方法&手順)
SUキャブのパイロットエアスクリュー回転数の違いまとめ(ハーレー)
SUキャブの頻繁にエンストする故障トラブル症状(原因&解決策)
バックファイヤー&アフターファイヤー症状と原因(トラブル故障)
プラグのトラブル&正しいメンテナンス方法(清掃/交換手順/故障前兆の症状)
ジャンプスターターの選び方&使い方(バッテリー上がり時の始動方法)
バッテリー上がり予測日数の調べ方(暗電流の測り方&漏電の確認方法)
CCAテスター測定器の選び方&使い方(バッテリー寿命が分かる!)
リチウムイオンバッテリー簡単解説(LifeとLipoの違い)
ショーライバッテリー簡単解説(Shorai/評判/寿命/儀式/トラブル)
ショーライバッテリー充電方法(Shoraiバッテリー上がり復活)
インジェクション車(FI)とキャブレター車の違い&見分け方(メリット/デメリット)
インジェクション車(FI)の正しいエンジンのかけ方/始動方法 簡単解説
ショベルヘッド後付セルモーター簡単解説(オープンプライマリー)
エンジン始動直後にアイドリングが安定しないエンスト症状の原因
エンジンが温まっている時に始動しづらい症状トラブル(再始動困難)
バックファイヤー&アフターファイヤー症状と原因(トラブル故障)
ショベルヘッドのクラッチ調整&清掃方法(オープンプライマリー)