リチウムイオンバッテリー簡単解説(LifeとLipoの違い)
● リチウムイオンバッテリー簡単解説(LifeとLipoの違い)
リチウムイオンバッテリーとは?
Q. どんな物に使われているの?
・スマートフォン(iPhone/Android) ・モバイルガジェットの携帯ゲーム機/携帯扇風機 ・スマホ用のモバイルバッテリー/スタータージャンプ/電動工具/電動ポンプ(空気入れ)/携帯電風機/エアブロワー/ソーラーチャージャー...etc
上記のモバイルバッテリーとして多く使用されています。
他には
バイク(オートバイ)のバッテリー
でも徐々に主流になってきております。
残念ながら車用(自動車用)はないのですが、競技のレース用自動車にバイク用のリチウムイオンバッテリーを流用して使用されている方がチラホラと見かけます。
リチウムイオンバッテリーって危険じゃないの?
よくニュースで「発火、爆発した」と聞くけど…本当に大丈夫なの?
私も実際に使用するまでは、その点が本当にx2 心配でした。
この発火、爆発といった絶対にあってはいけないマイナスなイメージが強すぎるために、どうにも”リチウムイオン”という新しい技術は信頼出来ないのではないか?と思ってしまいました。
また、すぐにバッテリー上がり起こしてしまうのではないか?と勝手な想像で決めつけてしまった事で躊躇しておりました。
これらが一歩踏み出せなかった理由だったのですが、皆様も同じ心境ではないでしょうか?
その理由の1つとして
まだリチウムイオンバッテリーが世に出始めの頃に海外や日本でもチラホラとバッテリーが発火、爆発したというニュースが”頻繁に流れていた時期”だったからです。
最近でも忘れた頃にチラホラと発火、爆発のニュースがありますよね。
そんなニュースが流れた日には、ガソリンが入ったバイクや車なんかに、とてもじゃないのですが、危険過ぎて使えないですよね。
しかし、どうしてもリチウムイオンバッテリー(最新技術)の事が気になりましたので後々よく調べてみました所、リチウムイオンバッテリーにはいくつかの”進化工程”と”種類”がある事が判明いたしました。
正しい知識を身につけた上で使用すれば、とんだ勘違いだったという事がよく分かりました。
初めての方はリチウムイオンバッテリーのフェライトバッテリー(Life系)とポリマーバッテリー(Lipo系)の「2種類」を理解する必要がございます。
誰でも理解できるように1つ1つ分かりやすく簡単に解説しておりますので、ぜひご覧になって頂ければ幸いです。
フェライトバッテリー(Life系)とポリマーバッテリー(Lipo系)の違い
主にスマートフォン、モバイルバッテリー、ゲーム等に使用されているのは「リチウムポリマーバッテリー(LiPo系/リポ系、リポビタンDと覚えておけばOKです)」と言います。
普通に使用しているだけで熱暴走したり、発火、炎上、過充電(充電のし過ぎ)による爆発の危険があるようでした。
それもあって元々バイクや車にはリポ系(LiPo系)のバッテリーは使われていないようでした。
一方で、バイクや車に使われる「リチウムフェライトバッテリー(LiFe系/リフェ系と覚えておけばOKです)」と言います。
リチウム系の新しいバッテリーとなりましてリチウムポリマー(LiPo/リポ系)で問題のあった熱暴走や発火や炎上等の問題が起こりにくい物質で作られているので、安心出来ます。
一般的に使用する目的で、仮に異常事態に陥ったとしても温度上昇はあるものの発火や爆発といった大きな問題は起こりません。
よくミニ四駆やラジコンで使用されているニッカド、ニッケル水素と比較しても非常に安心・安全なバッテリーになっているのが最大の特長になります。
最後に簡単にまとめますと、
リポ系(LiPo系)はモバイルや電気器機には使われていて危険が伴います。リポビタンDという名前で覚えておくと便利です。
リフェ系(Life系)はバイクや車に使われている安心なリチウムイオンバッテリーと覚えておけば分かりやすいと思います。リフェですが似ているのでライフ(生活)と覚えておけばOKです。
これらの事を知ってからは安心する事が出来ましたので、ひとまず物は試しにとショベルヘッドのキック始動オンリー車両に装着しておりました。
リチウムイオンバッテリーのメリット&デメリット
● リチウムバッテリーのメリット(良さ)
1.重量がとても軽いです。 2.電圧の容量が大きいのに見た目はコンパクトで小さいです。 3.常に一定の電圧で安定しているので電圧が下がりづらくて長寿命です。
→ リチウムイオンバッテリー最大のメリットは長期間使用しなくても大幅に電圧が下がる事が少ないという点です(何もせずに自然に電圧が下がる事を自己放電と言います)
従来の鉛バッテリーに比べまして電圧が非常に下がりづらくなっています。
通常のバッテリーは何もしなくても徐々に電圧が下がってバッテリー上がりが起こしやすいですね。
・通常のバッテリー = 自己放電が多い(自然に電圧が下がる)
→ 定期的に乗らないとバッテリー上がりが起きやすいです。
・リチウムイオンバッテリー = 自己放電が非常に少ない(自然に電圧が下がらない)
→ 定期的に乗らなくてもバッテリー上がりが起きづらいです。
これによりバッテリー上がりとは無縁となりまして定期的にバッテリーを充電したりといったメンテナンスの手間が不要になります。
但し、バッテリーを車両に接続したままの状態で保管した場合に限り、注意点が1つだけあります。
車体側のセキュリティ(イモビライザー)が電気を流し続ける事が原因でバッテリー上がりを起こしてしまいますので、長期保管の際にはマイナス(-)を外しておく必要があります。
そして、見た目が小さくコンパクトなので軽量化にもなります。
参考までにハーレーのバッテリーは、とにかく重いです。
スポーツスターの軽量モデルで5kg、ツーリングモデルで最大9.5kg前後あります。
これがリチウムイオンバッテリーにするだけで、
な、なんと!?
重量は「1kg前後」になっています。
一般的に長い間、バイクを放置してエンジンを掛けないバッテリーの容量が徐々に減ってバッテリー上がりを起こしてしまいます(これを放電と言います)
リチウムバッテリーは放電しづらいので、長い期間乗らないでもすぐエンジンが掛かるのも最大の魅力ですね。
このようにバッテリー1つとっても、かなり軽量化する事が出来るのが最大のメリットであります。
● リチウムバッテリーのデメリット(悪さ)
1.冬の低温 & 高温・高熱に弱いです(40度以上) 2.衝撃や水没にも弱いです。 3.過充電(充電のしすぎ)や過放電(充電のしなさすぎで放置)にも弱いです。
過充電は、満タン状態で、さらに充電のしすぎの事を言います。
過放電は、0%のまま放置する事を言います。
→ 意外と知られていないのですが、リチウムイオンバッテリーは満充電の状態(満タンに充電された状態)を保持すると寿命が短くなる特性があります。
簡単に言いますと「満タン状態」と「空っぽ状態」で維持したままにするのはNGという事になります。
真冬の低温にも弱いので、バイクのエンジンを掛けるためにはヘッドライトを30秒程、ONのまま点灯してからセルを押すといった儀式が必要になります。
他には通常の亜鉛バッテリーと比べて価格が高いという点だと思います。
一部のリチウムイオンバッテリーには専用充電器が必要になりますので初期コストが掛かるという点のみですね。
バッテリーを長持ちさせるコツ&ベストな充電方法
満充電(満タンに充電)せずに80%~90%を維持させる方法が長持ちさせる最大のコツになります。
意外と知られていないのですが、リチウムイオンバッテリーは満充電の状態(満タンに充電された状態)を保持すると寿命が短くなる特性があります。
そして、過充電・過放電に非常に弱いですね。
過充電は、満タン充電のまま充電のし過ぎの事を言います。
過放電は、0%のまま放置する事を言います。
簡単に言いますと「満タン状態」と「空っぽ状態」で維持したままにするのはNGという事になります。
リチウムイオンバッテリーを長持ちさせるためには「80%~90%前後で維持すること」が最大のコツと秘訣になります。
充電ギリギリまで使用して0%のまま放置するのは良くない事であります。
充電が減ったから、すぐに充電するのもバッテリーの寿命を縮める可能性が高いですね。
このバランスが難しいのですが、だからといって「たった10%の領域しか使用出来ないの!?」となってしまっても本末転倒ですね。
個人的にバッテリーを長持ちさせるベストな方法としましては、
スマートフォンやモバイルガジェット(携帯機器)のモバイルバッテリーにおいて
50%~90%状態を保つ
→ 理想は45%~85%以内を保つ
上記のパーセンテージの間でiPhoneを使用つつ、50%を下回る前に80%~90%まで充電を繰り返す事が大切だと思っています。
最低でも40%を下回る前に充電するのが望ましいですね。
バイクのリチウムイオンバッテリーは
常に80%~90%状態を保つ
→ 絶対に50%以下の状態にさせないことです。
充電時も100%満タンに充電しない方法が長持ちさせます。
リチウムイオンバッテリーの専用充電器には「満充電」「80%~90%維持充電」2種類の充電機能がついています。
いずれも過充電(充電のしすぎ)を防ぐためですね。
以上の事よりリチウムイオンバッテリーには少しでもバッテリーを長持ちさせるために専用充電器が用意されております。
リチウムイオンバッテリーの寿命はどのくらい持つの?
スマートフォン、モバイルガジェット(携帯器機)関連のモバイルバッテリーは2年から3年で徐々に寿命を迎える事が多いです。
バイク用リチウムイオンバッテリーの寿命~充電方法につきましては、
→ ショーライバッテリー簡単解説(Shorai/評判/寿命/儀式/トラブル)
詳しくは【ハーレー】ショベルヘッドまとめメモ帳(困った時の故障&トラブルノウハウ集)にて解説しておりますので、ご覧下さいませ。
バッテリーの寿命を迎えたらどこで処分/廃棄/回収すれば良いの?
一般的なバッテリーはお店で購入したら無料で引き取ってくれる事が多いと思います。
ゴミとしての処分/廃棄はリチウムイオンバッテリーに関わらず、通常の鉛バッテリーも含めまして、自治体が管理している一般家庭用の有料ゴミでもNGですね。
スマートフォン(iPhone/Android)、モバイルガジェット(携帯器機)関連のモバイルバッテリーは最寄りのホームセンターや電気量販店(電気屋さん)に置かれているリサイクル回収ボックスに持っていけばOKです。
一般的には「30cmx15cm以内」の電池やモバイルバッテリーならOKです。
小型家電用の電池/バッテリー回収ボックスが設置されている事が多いです(一般社団法人JBRC管理)
もちろん、リチウムイオン電池(乾電池)もOKです。
上記を見ますと大きさ的にはリチウムイオンバッテリーが入りそうですよね。
気になりましたので一般社団法人JBRCへ問い合わせしてみました所…?
バイク用バッテリーの回収をJBRCはしておりません。 処理業者の情報を当方は持っていないので、処理に関してはメーカーまたは自治体にご相談願います。
との事でした。
通常の亜鉛バッテリーを含めてバイクのリチウムイオンバッテリーは有料でしたら専用業者に持っていってくれればOKなのですが、「無料で引き取り」となると限られてきますね。
例えば、バイク用のショーライ/Shoraiのリチウムイオンバッテリー(LiFePO4/リフェ系)は環境にも優しいと言われています。
従来の鉛酸バッテリーは有害の鉛&危険な酸を含んでいるのに対してLiFePO4系バッテリーは充電中に爆発性のガスを発生しないです。
鉛等の有害ガスが含まれないですので、お住いの地区の行政によっては一般家庭でも処分出来る事もあるようです。
その場合は完全にバッテリーを放電させた状態で廃棄処分する事が必要になります。
無料でどうにか引き取ってくれる所はないか?と当方でも色々と調べてみたのですが、最寄りのガソリンスタンドで引き取ってくれる事が多いです。
但し、リチウムイオンバッテリーにおいては通常の亜鉛バッテリーと異なりますので一部のガソリンスタンドでは引き取ってくれない事が多かったです。
最寄りのガソリンスタンドへ数件ほど電話をかけて、ようやく無料で引き取ってくれる所が見つかったくらいでした。
リチウムイオンバッテリーには専用の充電器が必要になるの?
リチウムイオンバッテリーには専用充電器が
必要になるバッテリー(専用充電器の購入が必要)
と
必要のないバッテリー(従来の通常バッテリー充電器で充電可能)
に分かれています。
この違いは過充電(充電のしすぎ)や過放電(0%のまま放置)を保護する回路が搭載されているかいないかの違いになります。
なぜ過充電や過放電を保護する機能が搭載されていないのかについてなのですが、多少なりとも危険が伴うという事が一番の理由のようです。
逆に言いますと、従来のバッテリー充電器で充電できるリチウムイオンバッテリーと言いますのは保護する回路が搭載しているため、多少なりとも危険が伴うという意味になります。
これはリチウムイオンバッテリー内にセルと言われる小さな電池みたいな物(■■■■)が入っています。
従来の通常バッテリー用充電器で充電をしますと(□□□□)→(■□■■)or(□■□■)こんな状態でセル全体にバランス良く充電されない事が多くあります。
そのためにリチウムイオンバッテリー専用の充電器が必要になっています。
リチウムイオンバッテリー専用の充電器には4つのセルを監視して診断した上で全体にバランス良く(□□□□)→(■■■■)のような感じで完璧に充電されるようになります。
電池みたいなセルを監視・診断・バランス良く充電出来る三拍子になっております。
さらに、きちんと寿命終了まで使えるように最適化保管の充電モードが搭載しています。
バイクのリチウムイオンバッテリーはどんな種類があるの?
・ショーライ(Shorai) ・アンチグラビティ(ANTIGRAVITY) ・スカイリッチ(SKYRICH) ・エーゼット(AZ)
上記4メーカーが有名ですね。
あまり有名ではないですが、ハーレー純正からも出ていますが、圧倒的に「Shorai(ショーライ)」「ANTIGRAVITY(アンチグラビティ)」が使用される事が多いです。
サンダンスさんからもリチウムイオンバッテリーのT-SPECが販売されています。
当方ではShorai(ショーライ)バッテリーを長年使用しておりますが、常に電圧は一定で安定しておりますので、大変おすすめでございます!
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