ショベルヘッド後付セルモーター

目次
ショベルヘッドの後付セルモーター簡単解説
はじめに
ショベルヘッド後付セルモーターの簡単解説になります。
本内容については
ハーレー全般で使える! ショベルヘッドまとめメモ帳(困った時の故障&トラブルノウハウ集)
上記で解説した内容の全文を特別に掲載して公開しております。
セルに関する内容が分かりやすいと感じられましたら、ぜひショベルヘッドまとめメモ帳も一緒にご覧になって頂けますと本当に嬉しく思っております。
ショベルヘッドにはセルモーターはないの?
ハーレーのショベルヘッドには
純正でセルモーターが搭載されています。
ハーレーのセルモーターには
・ショベルヘッド時代は日立製(HITACHI) ・それ以降はデンソー製(DENSO)
という国産メーカーが採用されています。
古いハーレーのエンジンのかけ方/儀式とは?(キック始動手順と意味)でも解説させて頂いているのですが、正確には1965年の最終パンヘッド(エレクトラグライド)になってから、ようやくセルモーターが正式に搭載されるようになりました。
これによりワンボタンのセルで楽々エンジン始動が出来るようになり利便性が格段に高まりました。
1966年に初誕生したアーリーショベル以降のショベルヘッド時代は純正スタイルではセルボタンとキックペダルが併用となっています。
ハーレー乗りの多くの方はショベルヘッドに関わらず、フルカスタムされている方が多いです。
特に乾式クラッチ(オイルが入っていない乾いたカラカラカラ音がするクラッチにするため)のオープンプライマリーベルト化にカスタムする事で、純正タイプのセルを取り外さなければいけない構造になっています。
そのため、純正セルが搭載されていないキック始動オンリーのショベルヘッドにカスタムされた車両が、とても多くなっています。
キックペダルの最大のメリットとして
バッテリー上がりを起こしても少ない電圧でかかる最大のメリットがございます。
オープンプライマリーベルトにセルを後からでも取付できるの?
・ショベルヘッド ・パンヘッド ・ナックルヘッド ・エボ & ツインカムのソフテイル/ダイナ(TC88/96)
上記の古いハーレー車両ではオープンプライマリーベルト形式のまま後から取り付けできるテックサイクル製(TechCycle)のセルモーターがあります。
最大の特長は既存のオープンプライマリーベルトの見た目のままの状態で違和感なく後からでもセルモーターを取付する事が出来るのです。
オープンプライマリーベルトの種類は
・PRIMO(プリモ) ・BDL
上記2社に対応しています。
サイズは2インチと3インチに対応しております。
1.5インチのオープンプライマリーベルトは非対応になりますので、ご注意下さいませ。
オープンプライマリーベルトでも見た目が違うの?(スプリング有無)
BDLのベルトドライブキットには
純正のスプリング剥き出しのクラッチハブを流用出来るタイプ
と
ショーティーのスプリングがなくなるタイプがあります。
ショーティータイプはクラッチを切ってから繋がるまでの距離がプロクラッチのように遊び幅がすくなります。
プロクラッチ並に薄くなる事で見た目がすっきりするのですが、少しだけ迫力がなくなってしまいます。
プリモ/BDL(通常版)のベルトドライブキットタイプ+テックサイクル製(TechCycle)の組み合わせが純正スタイルのスプリングむき出しのスタイルで迫力があって多くの方が好まれると思います。
BDL(ショーティタイプ)の場合はショベルヘッドの純正セルは使用できないのですが、EVO用スターター(品番80-1001または80-1002)を使用する事が出来ます。
どのくらいの費用が掛かるの?(セルモーター本体価格+取付作業工賃)
テックサイクル製セル付きスターターモーターについて
(TechCycle製)
・本体価格:21万(以前は15万前後でした) ・整備費用(取付作業工賃&加工費用):10万~
→ 合計30万~40万を軽くオーバーしてしまいます。
セル化の搭載に伴いまして
絶対的に必要になるのが
1.大容量バッテリー 2.セルのスターターリレー 3.セルノイド(故障した時のための予備含む) 4.各種配線加工が必須
上記の追加作業が必要になります。
上記以外にもショベルヘッド・パンヘッド・ナックルヘッドのカスタム状態によってはセルモーターを搭載するためのスペース分を確保する必要が出てきます。
ジョッキーシフト(ハンドシフト)によるノンロッカークラッチ・ロッカークラッチにカスタムされている方は4速ミッションからクラッチまでを繋いでいるクラッチアームを加工する必要も出てきてしまいます。
そうなりますとオイルタンクを小さくするための加工をしたり交換する必要がありまして、クラッチアームの変更・テックサイクル製のセルをそのまま簡単にポン付け出来ないためにリンクギアの加工やらが必須になってきてします。
これらの取付工賃と加工費用を含めて合計しますと
ざっくりと合計40万~50万は最低でも掛かってしまうと思います…。
さらに追い打ちをかけてオープンプライマリーベルトが1.5インチですと非対応だったと記憶しておりますので、2インチ、3インチへの変更が必須になってきます。
オープンプライマリーベルトキットは6万前後もします。
滅多に出回る事はないのですが、本当に運がよければ、稀にテックサイクル製のセルモーターはヤフオクで10万前後で見かける事も!?
但し、ショベルヘッドの純正4速ミッションには「ラチェットトップ」「ロータリートップ」の2種類が存在します。
テックサイクル製のセルモーターも自分の車両に対応する方が出回るかはどうかは本当に運になってくると思います。他にもセルモーター自体の状態ですね。
テックサイクル製(TechCycle製)セル付きスターターキットの評判は?
いくつかオープンプライマリーベルトのままで後付け出来るセルモーターが出ているのですが、その中でもテックサイクル製(TechCycle製)がマシといいますか良い方と言われています。
それでも、さすがにセルスターターをカスタムにて後付けする形となります。
基本は加工して取り付ける事が大前提となりますので使用している内に何かとセル関連のトラブルがちょいちょい発生してしまいます。
よくあるトラブル&故障例
スターターギヤ等が悪さをしてしまうトラブル等
そして、何よりもキック始動バイクにセルを後付する事によって配線が複雑になってしまったり
・スターターリレー ・ソレノイド ・ワンウェイクラッチ(スターターピニオンギア) ・スターターリングギア
といった沢山のパーツ部品が追加されます。
これにより余計なトラブルを招くといった可能性が出てきてしまいます。
詳しくはセル&スターター故障トラブル症状(疑問解決)で解説しております。
元々ショベルヘッドには純正でセルが搭載されているのですが、乾式クラッチのオープンプライマリーベルト化にする事で取り外さなければいけない仕組みになっています。
古いバイクには元々セルモーターが搭載していなかったにキック始動オンリーが、なんだかんだいってシンプルイズベストだと言われていますね。
と言いますのも
きちんと整備されたショベルヘッドは、
エンジンがかかりやすい最強のセットアップにすれば、キック始動オンリーでも国産車並のセル始動と同じように誰でも簡単に楽々エンジンを始動させる事が出来るからなのです。
詳しくは
・古いハーレーキックのかけ方&儀式コツ ・ショベルのキック始動で苦戦している方必見(冬/季節問わず) ・【ハーレー全般で使える!】ショベルヘッドまとめメモ帳(困った時の故障&トラブルノウハウ集
上記をご覧下さいませ。
もちろん、そうは言いましても
キック始動に苦い思い出があったり、いつまでも好きになれず苦手な方だったり
ケッチン(キックバック)で散々痛い思いをされてトラウマがある方(かなりの勢いでキックペダルが跳ね返る行為)にとっては、セルはなくてはならない存在で絶対に必要不可欠だと思います。
セルボタンが1つあれば、大きな交差点で不意にエンストした時や、どんな状況でもハーレー特有の儀式は一切不要になります。
誰でも簡単に楽々始動出来ますので、こんなにも便利で優秀な物はないくらいですね。
セルモーター&スターター故障トラブル症状
下記にて詳しく解説しておりますので、ぜひご覧になって頂ければ幸いです。
セル&スターター故障トラブル症状(疑問解決)
詳しい内容につきましては、ぜひ下記のハーレー内容をまとめたメモ帳をご覧下さいませ。
【ハーレー全般で使える!】ショベルヘッドまとめメモ帳(困った時の故障&トラブルノウハウ集
誰が見ても理解出来るように1つ1つ項目別に丁寧に分かりやすく解説した初心者向けの詳しい内容となっておりますので、他の解説や整備本で分からなかった方でも絶対に理解出来ると思います。
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