手術失敗後に植物人間化→2年後に死亡(損害賠償600万円)

30代の女性 鼻の形成手術失敗後に植物人間化→2年後に死亡
損害賠償たったの600万円
東京の聖路加(せいるか)国際病院にて
鼻の整形手術(形成手術)を受けた
30代の女性が植物状態になって死亡していた事が分かりました。
女性は結婚前に鼻の形を整える手術を受けていたという事でした。
病院側の医療ミスにより
本来は、呼吸を確保するための気管にチューブをいれなければいけないところを誤って食道に挿入されてしまい植物状態になってしまったようです。
その2年後に死亡が確認されています。
・2011年2月: 手術失敗により「植物状態」
・2013年1月: 約2年後、脳死による多臓器不全で「死亡」
女性の両親は病院側に対して
合計1億1,500万円の損害賠償を求めましたが、
東京高裁の判決では
病院側に「600万円」の支払いを命じました。
母親は記者会見より
簡単な手術と聞いていたので、まさか死ぬとは思わなかった
病院のミスが認められたと娘に報告できる
このニュースで興味深かったのは
1.大きな病院で美容整形ではなく形成手術による手術ミス
2.鼻の手術を失敗するだけで「植物状態」になってしまう
3.一人の命が亡くなっても損害賠償金額が破格の「600万円」
という3点でありました。
もっとも恐ろしかったのは
特に、まだ若い30代の女性という
一人の命が亡くなっているのにも関わらず、
手術ミスによる損害賠償金額が「600万円」という…
かなり安すぎる金額であったという点が、とても気になってしまいました。
これは決して他人事ではなく、もしも他の形成手術ミスでも同じような金額の判例になってしまう恐ろしさであります。
読売新聞の報道では「結婚前に鼻の形を整える手術を受けた」という文脈が入っていたので、よくありがちな美容整形トラブルかと思ったのですが…?
病院の公式サイトを見る限りでは大きな病院で、美容整形はやってなさそうな感じです。
別の記事では「全身麻酔で鼻の形成手術などを受け、容体が悪化した」となっておりました。
病院の公式サイトと別の記事を照らし合わせますと…?
よくある美容整形の手術ではなく「形成手術(形成外科)」が正解だと思います。
<追記>
その後、裁判内容(鼻の整形手術後死亡事例の訴訟、一審の認定事実抜粋)より
本件患者は,平成22年11月30日,本件病院の形成外科を初診し,同日以降,同病院の形成外科及び耳鼻咽喉科を受診し,左不完全口唇裂,外鼻変形との診断のもと,両科の合同により,鼻中隔矯正術,下鼻甲介粘膜切除術及び外鼻形成術の実施が計画された
という事から幼い子供の頃から鼻の変形を治さずに生きてきた方という事でした。
これにより美容整形ではなく、口唇裂&外鼻変形などに対して保険が適用される「形成手術」という事が判明いたしました。

