ネットの誹謗中傷 侮辱罪を強化して懲役刑導入へ

ネットの誹謗中傷 侮辱罪で懲役刑導入への簡単解説
インターネットの誹謗中傷(ひぼうちゅうしょう)について
現行の侮辱罪に関する法律では刑罰(罰則)が軽すぎると言われています。
そこで、法務省は今後さらなる強化をするために
侮辱罪を厳罰化して「懲役刑」を導入する方針になりました。
◆ 現在の法律(現行法)
・勾留:30日未満 または 1万未満の罰金
・公訴時効: 1年(書込みから訴えられるまでの時効)
◆ 今後の厳罰化(2022年7月7日以降)
・懲役:1年以下 または 30万以下の罰金
・公訴時効: 3年
罰則の引き上げに伴いまして、公起時効も1年から「3年」に伸びます。
公訴時効とは?
誹謗中傷といった犯罪の書込みが行われたとしても決められた期間を経過すれば、犯人を処罰することが出来なくなる事を言います。
つまり、現在の法律では書き込みから1年経過すれば「無罪(無効)」となっています。
訴えることすらも出来なくなっています。
誹謗中傷の書き込みをした方に対して「刑事罰」を科すには
まずは書き込んだ投稿者の個人を特定する必要があります。
そのためには皆様が契約しているインターネット回線&スマホ回線(各社プロバイダー/携帯キャリア契約会社)へ問い合わせして教えてもらわなければいけません。
これを開示請求と呼ぶのですが、
投稿者の情報を開示する手続きには時間がかかる事が多いため、時効が「1年」と短いことも問題となっておりました。
今後は侮辱罪の厳罰化に伴いまして
時効を名誉毀損罪と同じ「3年」に延長される事になりました。
ちなみに名誉毀損罪は
◆ 名誉毀損罪
・懲役:3年以下 または 50万以下の罰金
・公訴時効: 3年
となっています。
テラスハウス自殺事件を受けて警視庁は、当初は「名誉既存罪」の適用も検討していたようでありました。
最近、起きたヤフーニュースの誹謗中傷コメント問題でも
3年かけて罰金は「10万円」といった結果で罪が軽すぎると言われています。
これまでの時系列と流れとしましては
◆ 2021年10月21日
インターネット上の誹謗中傷対策の刑法「侮辱罪」の厳罰化&懲役刑導入について
法制審議会が開かれて話し合いが行われて法務大臣にまとめた内容を提出されました。
今回の話し合いでは誹謗中傷の侮辱罪厳罰化の他に
・保釈された方(刑事被告人)の逃亡を防止する「刑事訴訟法」や「刑法改正案」の法整備
・保釈中の逃亡防止策として海外逃亡の恐れがある被告にGPS端末の装着を可能とする法整備
上記についても話し合いが行われて内容がまとめられました。
法務省は話し合いの内容を元に2022年の通常国会にて
刑法の改正案提出と実現に向けて準備を進めています。
◆ 2022年2月22日
法務省は2月22日に刑法改正案を自民党の法務部会で示して了承されました。
これにてインターネット上の誹謗中傷対策を強化するために懲役刑が追加されます。
3月上旬に関連法の改正案を国会に提出する方針となっています。
◆ 2022年3月8日
SNS&ネット上の誹謗中傷対策を強化するために人を侮辱した行為に適用される侮辱罪に懲役刑を導入。
さらに罪を重くするための”懲役”と”禁錮”を1本化した
「拘禁刑(こうきんけい)」を創設した刑法の改正案が閣議決定となりました。
※ 閣議決定 = 内閣で行われる意識決定の事を言います。
明治40年の刑法の制定以来、初めて刑法の種類の見直しとなりました。
◆ 2022年4月21日
本格的に国会(衆院本会議)にて厳罰化の内容説明と質疑応答の話し合いが行われました。
これから政府では国会で刑法の改正案の成立を目指す流れとなります。
◆ 2022年6月13日
国会(衆院本会議)にてインターネット上の誹謗中傷対策で、侮辱罪を厳罰化する改正刑法が賛成多数で可決(成立)しました。
侮辱罪の改正においては、2022年夏頃には実施される予定となっています。
さらに施行してから3年後には専門家による検証を行う事も明記されました。
◆ 2022年7月7日
2022年7月7日(木)以降より
正式に「侮辱罪」の厳罰化が適用対象となりました。

